3話
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「ひぃ……!!!」
頭を鷲掴みにされると同時に四季の纏う高温がドーナシークの顔を焼く。能力発動時……腕の武器『紅き血』展開時の四季は体内温度は6000度を超える温度を自由にコントロールできる。
「ちょっと下まで……ツラを貸せ!」
コンコルドの翼の出力を全開にして地面へと向かって落下すると、衝撃音と共にドーナシークの体が地面に叩き付けられる。周囲への被害を考えて体内温度を地面に近付くのにあわせて低下させつつと言う芸当まで行なって、だ。
「ガハァ!!!」
片腕を消し炭に帰られ顔を焼かれ、地面に叩きつけられた衝撃で全身の骨もいくらか折れただろう。それでも生きているのは人外である事の恩恵に当たるのだろうか。
(こ、殺される……。なんだ、あの化け物は!? 早く逃げなければ……)
「何処へ行く気だ?」
四季の腕の『紅き血』が炎によって繋がれた蛇腹剣へと形を変える。
「天使だろうが、堕天使だろうが、神だろうが悪魔だろうが、なんだろうが……。詩乃を傷付ける奴は叩き切る!!!」
「く、くるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「その魂に刻め!!! これがお前を裁く……オレの、アウトレイジの!!!」
『赤熱の神殺』
「熱き血だ!!!」
四季の神器はアウトレイジの書であり、『紅き血』はアウトレイジの書が覚醒した時に熱量のコントロールも武器の具現も可能になった。……故に四季はそれをアウトレイジの持つ能力と認識している。
他のアウトレイジの力は訓練を必要としていたのに、この力だけは当然の様に最初から自在に扱える事も疑問だった。まるで最初から自分の物だったように、だ。
本来なら堕天使は死に伴って羽を残すが、四季の一撃によって高温で焼かれると同時に両断されると言う二重の苦痛を味わいながらドーナシークは残すべき羽さえも灰へと変え、痕跡を残す事無く消え去って行った。
腕ごと紅き血を振ると、僅かに付着していた高温によって固形化したドーナシークの血が風に舞って消えていく。
「ふぅ……」
軽く息を吐くと同時に腕の紅き血が消える。完全に詩乃が殺されそうになった事で頭に血が上って居たが、冷静になってしまうと生け捕りにしなかった事は失敗したとも思う。
「詩乃、無事か!?」
だが、先程まで戦っていた堕天使の事や、後々の事など一瞬の思考のみで一時頭の中から消去、地面に座り込みながら唖然としていた詩乃へとそう言って駆け寄る。
「悪い、遅くなった。怪我は……」
そう言って手を伸ばそうとした時、一瞬の躊躇が生まれる。……彼女の中のドラグハート・ウェポン
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