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ダブルデート
第六章
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第六章

「映画館にするよ」
「そう。それじゃあ一緒にね」
「それじゃあ俺は」
 次は直弥だった。彼は美喜の顔を見ている。
「居酒屋にな」
「行くのね」
 こうしてだった。それぞれの行く先が決まった。そうしてだった。
 ここでお互いに別れてだ。言い合うのだった。
「じゃあこれでな」
「またな」
「デートの感想聞かせてね」
「それじゃあね」
 別れの挨拶の後でそれぞれのデートに入る。彼等はそれからも楽しんだ。
 そしてだった。お互いにそうしたデートを続けるうちにだった。
 お互いに全く同じ服を着ていてもだ。相手がわかるようになったのだった。
 このことをだ。彼等は話した。四人揃ってだ。
 和弥は美恵と並んで、直弥は美喜と並んでだ。そのうえで向かい合って話す。四人共笑顔になっている。そのうえでの言葉だった。
「いや、こうしてさ」
「そうだよな」
 まずはここから話すのだった。和弥と直弥からだ。
「お互いにいてもな」
「相手が誰かわかるようになったな」
 そうだというのである。
「美恵ちゃんと美喜ちゃんの違いがな」
「わかるようになったよな」
「私も」
「私もだから」
 美恵と美喜も言うのだった。
「和弥君と直弥君の違いがね」
「わかってきたわ」
 彼女達もだ。そうだというのである。
「外見は同じでもね」
「見ただけでもね」
「そうそう、それでもわかるんだよな」
「不思議とさ」
 男二人も話す。
「何でだろうな、これって」
「本当に何処から何処まで同じ外見なのにさ」
 男二人も女二人もそれぞれ鏡に映したかの如きである。それは変わらない。
 それでもである。わかるというのであった。
「この理由は何でだろうな」
「本当にな」
「多分これって」
「そうよね」
 女の子二人がにこりと笑い合ってだ。そして言った。
「好きだからよね」
「それでなのね」
「好きな相手はわかる」
「相手が誰なのか」
 男二人は彼女達の話を聞いて述べた。
「そういうことか?」
「つまりは」
「うん、そうだと思うわ」
「だからなのよ」
 女の子二人はこう彼等にも言う。
「好きな相手ってね」
「感覚で誰かわかるっていうしね」
「それでか」
「成程な」
 和弥と直弥は腕を組んで考える顔になった。その表情も動くタイミングも素振りもだ。何もかもが同じだった。本当に鏡であった。
 しかしそれでもだった。次第にだが。
「わかるようになるんだな」
「好きならな」
「二人だってそうでしょ?」
「私達のことは」
「ああ」
「勿論だよ」
 これがその二人の返事だった。
「わかってきたよ」
「どっちがどっちか」
「そうよね。好きならね」
「最初は無理でも」
 それでもだとい
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