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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第9話 「武の王、立つ」
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シリアの腹部に直撃、彼女は地面に叩きつけられた。

『こんなもんかよ、代表候補生ってのは?もっと俺を楽しませろよ。』

セシリアは零の人格のあまりの豹変に驚きを隠せなかった。平常時の彼はこんなに好戦的な人間ではなかったはずだ。今の彼には何時もの冷淡さもセシリアに見せた憤怒も感じられない。ただ戦いに生き、戦いを追い求める狂気のみが存在している。

(あれは誰なんですの・・・?)

思考に沈みかけたセシリアを零の突きが襲った。常軌を逸した速さと破壊力を兼ね揃えたその突きを間一髪でかわしたセシリアは全速力で上昇し距離をとる。一方、零は地面に突き刺さっている『天羽々斬』を抜き、あるディスプレイを確認していた。

『・・・チッ、時間ねえな。さっさと片付けるか。』
『簡単に言ってくれますわね。ですが、ナメてもらっては困りますわ!ティアーズ!』

セシリアの命令で4機のビットが零を襲う。零は回避する素振りを一切見せず、一直線にセシリアに突撃する。4機の『ブルー・ティアーズ』がレーザーを放つが、零には全く当たらない。

(わたくしの反応が、彼の速さに追いついていない!?)

レーザーは零の背後、数秒前にいた場所に放たれるばかり。セシリアは慌てて発射地点をずらして対応しようとするが、それをするほどの余裕は今の彼女にはない。セシリアは『スターライトmk-III』で零を狙撃しようとした。

『やろうとしてることが全部トロいんだよ、馬鹿たれが!』

零は狙撃される前に『スターライトmk-III』の銃口を叩き斬った。更にセシリアが動揺している間に銃身をバラバラに解体してしまった。

『なっ!?』
『いちいちリアクションとってんじゃねえよ。』

ドスの利いた声と共に零はセシリアにアイアンクローを極めて投げ飛ばした。再び地面に衝突しそうになったセシリアはギリギリでブレーキをかけて体勢を整える。

『BT兵器の使い方を教えてやるよ。よく見とけ。・・・『白羽・天剣』全機展開。』

零の周りに8機のビットが展開される。レーザー発射口からはエネルギー刃が形成され、触れればISの装甲も一瞬で焼き切るほどの威力を誇る。零は8機のビットを同時に操りながら再びセシリアに向かって突撃する。

『あ、あれだけの数のビットを制御しながら自由に動けますの!?』
『たかが10程度の分裂思考も出来ない奴が調子に乗ってんじゃねえぞ!』

『ブルー・ティアーズ』を制御しているセシリアは接近する零に対応する余裕がない。為す術のないセシリアは零の接近を許し、零は容赦なく無抵抗のセシリアに『天羽々斬』を振るった。零の斬撃をまともに食らい吹っ飛ぶセシリア。更に制御に気が回らず空中で待機状態になった『ブルー・ティアーズ』に『白羽・天剣』が突撃、粉々に破壊された
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