第8話〜再会〜
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いい稼ぎになったな。これで連中が陳情を取り下げなけりゃ、もうちょい稼げるってか」
「ま、程々にしとけ。報酬だって用意されてるんだ。普段の稼ぎからしたら十分だろ」
「しっかしあいつら、何者なんだろうな?領邦軍の連中にも顔が利いてるみてーだし」
「さてな・・・何を考えているのかさっぱり判らん男だったからな」
(あいつらはミラで雇われた錬度の低い猟兵か傭兵崩れだな。領邦軍に顔が利くってこと
は貴族派に協力的な組織か?何にせよ、この陰険なやり口は策謀家だな。慎重に行くか)
物陰に隠れて彼らの会話を盗み聞きし、ケインは頭の中で情報を整理する。
「流石に捨て置けぬな・・・どうする、ケイン?」
「俺が特攻するから、ラウラはその三秒後に頼む」
「心得た・・・!」
ラウラに作戦をを告げたケインはトップスピードで彼らに肉薄し、篭手で即座に二人を無力化する。不意を突かれ、残りの二人も反撃むなしく、ラウラの大剣の餌食になっていた。
「ウソだろ・・・こんなガキどもに・・・」
「大人しく投降してくれ。あんたらの命を奪うことに意味はない」
「誰に頼まれたのかは話してもらう必要がありそうだが」
どうやらそれを言うつもりはないらしい。暫くの間、硬直状態が続いていたが、どこからともなく笛の音が聞こえ、巨大なヒヒ型の魔獣が現れた。何者かの介入も予測済みだったらしい。この場の全員を消しかけるつもりなのだろう。野盗らは竦んでおり、助力は見込めない。
「あの魔獣を討伐する。ラウラ、力を貸してくれ!」
「任せるがよい!」
巨体の割に俊敏な動きで振り回してくる前足の一撃を、紙一重で避けたケインは、魔獣の剛腕に一突きを入れる。ラウラはそれに続いて同じ部位に大剣の振り下ろしを叩きこむ。
立て続けに同じところにダメージを負い、憤慨した魔獣は反対の前足で、ラウラめがけて巨大な拳を振り下ろすが、間に割って入ったケインの拳に弾き返され、数歩後ずさる。
その隙に後ろに回り込んでいたラウラが両方の後ろ足を叩き、ケインは魔獣の両目を狙って黒剣で一閃した。ケインの目論見通り視界を奪われた魔獣は、暴れるが、体勢を崩されていて思う様に動けないようだ。ケインは、駄目押しにと魔獣の片腕を斬り飛ばした。
「ラウラ、今だ!」
「我が渾身の一撃、喰らうがよい・・・!奥義・洸刃乱舞!!」
膨大なエネルギーを纏った青白い光に包まれた大剣を振りかぶり、袈裟斬りから一閃、最後は回転斬りで華麗にフィニッシュする。ラウラの奥義により、魔獣は断末魔もなく消滅した。連携が上手くいったことに満足し、ケインはラウラと勝利のハイタッチを交わす。
「綺麗な剣技だな。正直、見とれてしまうほどだった」
「ふふ、そうか。だが、そなたほど
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