第8話〜再会〜
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「うん。しかし、どうしてこのようなところに?」
「事件が起こったのは昨夜。目算だけど、あの量の盗品を町の中に隠しておくとは考えにくい。街道も魔獣がいる以上、安心できないからな。自然公園ならある程度管理も行き届いているはずだし、敷地も広い。一旦隠すぐらいなら簡単にできそうかな、って」
「そなたはそこまで考えていたのか・・・流石だな」
ラウラのその言葉に、ケインは苦笑した。実は前にも似たような事があったのだ。
ある没落貴族の商人が、大市の利益を独占せんと数人の傭兵を具して、市の倉庫を破壊。
倉庫の品をできる限り自然公園へと運び込み、数台の私用飛行艇でそれらを回収という手口のものだった。偶然ケルディックに来ていたため、その事件のことを知り、飛行艇の操縦士ごとのしておいたのでそれは阻止されたが。
「けど、分からないことがあってさ」
「?何なのだ、それは?」
「領邦軍とグルっている第三勢力らしき、『何か』の存在だよ」
「・・・!」
そんなことよりも先に進むことが重要だと判断したケインは、少し考え込む。
公園前の門は、内側から施錠されている。きな臭い感じだ。
「まぁ、今は関係ないよな・・・さて、ラウラ。ちょっと失礼」
「え、ひゃっ!?」
「・・・可愛い声だな」
「そ、そなたという男は・・・!」
良案を思いついたケインは、突然ラウラの片手を引き、腰から抱きかかえて彼女をお姫様抱っこする。その後、十数アージュほど助走をつけてから跳躍し、門を飛び越えた。
「よし・・・!侵入成功、だな。ラウラは・・・大丈夫?」
「・・・・・・」
ラウラは驚きのあまり、無言で口を閉口させているようだ。まるでマキアスのようだと思うケインであったが、彼女の顔の前で「お〜い、戻ってこいよ」と手を振っておく。
少しして我に返ったのか、すぐにケインから離れた。
「〜〜〜〜っ・・・!」
「やっぱり、嫌だったよな・・・すまない、これ以外思いつかなかったんだ」
「い、嫌というわけではない。その、あまりに唐突だったから驚いただけだ」
「気遣ってくれてありがとう。やっぱり君は、優しいんだな」
微笑しながら礼を述べたケインは、そのまま先へと進んでいく。ラウラもそれに続いた。
公園には街道とは違った異質な雰囲気があったが、ラウラいわく地方に残っている精霊信仰の名残なのだそうだ。確か、レグラムにもそんなものがあると聞いた気がする。
予想に反して魔獣が徘徊していたが連携して難なく倒しながら、曲がりくねった道を走る。
これでは自然公園ならぬ魔獣公園だとぼやきたくなるのを抑えつつ、ケインたちは人の気配を感じて立ち止まった。四人の男たちが話しているようだ。その奥には、盗品もあった。
「
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