第8話〜再会〜
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。誰もがそう思う中、リィンが今回の事件の調査を申し出る。納得がいかない。あまりにも理不尽だ。A班全員がそう思ったのだろう。彼の意見に賛同し、くれぐれも深入りはしないようとオットーさんから報告を受け、その場はひとまず失礼した。
「・・・・・・」
「・・・どうしたのだ?」
「・・・みんなは実習の依頼を片付けていてくれ。この事件は、俺一人で解決する」
オットーさんとの話の時もずっと黙り込んでいたケインがそんなことを口にした。
もちろん、他4人の驚きと反感を買った。さすがに一人では危険だ、と。
「頼む・・・!領邦軍が関わっている以上、危険なんだ!
君たちにまで迷惑はかけられない。敵対するのは・・・俺だけで十分なんだよ」
「そなたが危険だと判断しているところに、単独で行かせられるものか!
私は・・・そなたが心配なのだ。そなたの、力になりたいのだ」
「ラウラ・・・」
ラウラのどこまでも真っ直ぐ真剣な眼差しに狼狽えるケイン。君は足手まといだ。
そう言ってしまえば済む。たとえ自分が忌み嫌われようとも他者に迷惑はかけられない。自身のいざこざに巻き込むなどもっての他だ。そう思っていたが、口から出たのはまるで正反対の言葉だった。
「分かった。俺とラウラの少数精鋭で行こう・・・君は必ず、守ってみせる」
「ふふ、承知した。ならば私も、ケインの背中ぐらいは守ってみせよう・・・!」
「ちょ、ちょっと!二人だけで勝手に話を進めないでよね!!」
ケインとラウラは、アリサのツッコミでようやく他3人の存在を失念していたことを悟る。
当然彼らもまだ反対するだろうと思っていたが、最終的にはリィンが二人の実力なら大丈夫だと一任し、アリサ、エリオットと共に依頼の場所へ向かった。無理はしないように言われたが、彼なりに気を遣ってくれたのだろう。とにかく、ケインたちも事件の調査を開始することに。
(俺は、ラウラに嫌われたくないと思っているのか?・・・くっ、どうしてなんだよ!)
「ケイン?」
「・・・すまない。調査を開始しよう」
怪訝な顔を見せるラウラだったが、それも一瞬で、今なら揉めていた商人たちも落ち着いているだろうと言い、まずは被害者の話を聞いてみた。互いに互いの事を非難していたが、夜中、事件が起きた時間帯に彼らは屋台におらず、どちらかが犯人であるという線は消えた。昨夜盗まれた盗品で、それらの数も考えるとケルディックに隠したとも、鉄道等を利用したとも考えにくい。
「どうやら行き詰ってしまったようだな」
「いや、そうでもないよ・・・ラウラ、俺の直感に付き合ってくれないかな?」
「???」
−西街道 ルナリア自然公園前−
「・・・とりあえず、着いたな」
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