2ndA‘s編
第十二話〜歩み寄る結末〜
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う数え切れなくなるほど吐いたため息をもう一度吐く。それは頭の切り替えの為に行ったものであったのだが、丁度タイミングよくライにとって求めていた外部からの要因が届いた。
『聞こえますか?!』
音源は自分のすぐ頭上であるが、どうせそちらに目を向けても肉眼では何も見えないと思っている為、あえてそちらに目を向けることなくライは口を開いた。
「……聞こえています。こちらの状況をそっちはどこまで?」
『大体は把握しています。その上で聞きますが、貴方に対応策はありますか?』
聞こえてくる女性――――リンディの言葉にどうせ通じないと知っていながらも、今のライに答えられる言葉はそれしか存在しなかった。
「方法はあるが何にしても、夜天の書に接触しないことにはどうにもならない。そちらは?」
具体案を全く言えない状況の為、追求される前に逆に質問を被せる。
下手に管理局側に弱みを見せてしまえば、自分が事態を終息させるだけの能力がないことをアピールすることになってしまう。そうなれば、最悪強制的に退場させられてしまう可能性もある。
ある意味で板挟み状態なことに歯噛みしながらも、ライは彼女からの報告に耳を傾けた。
『回収した彼女たちは医務室に送りました。さっき目を覚ましたという報告も貰ったので安心して』
「ん?」
この報告には流石のライも疑問に感じた。蒐集されてからそれほど時間も経っていない今の段階でそう早く回復できるのかと言う思考の引っかかりがライの口から疑問の声を漏らした。
『彼女たちのリンカーコアはそれほど干渉を受けなかったみたいで、消失した魔力も全体の三割から四割ほど。すぐにとは言えませんが、もう少しすればそちらに送ることもできます』
これはライも知らないことであるが、夜天の書の蒐集でリンカーコアが縮小するのは厳密には魔力を奪われるのが理由の全てではない。
そもそも、夜天の書が蒐集しているのは徹頭徹尾魔法の術式である。ならば何故、収集された魔導師のリンカーコアが縮小されるのか。それはリンカーコアの性質に因るものであった。
リンカーコアの主な機能は待機中の魔力素を集め、それを魔導師の使用する魔力に生成し貯蔵することだ。なのはやフェイトといった高位の魔力ランクを持つ魔導師は、基本的にこの能力が高い事とその生成された魔力を貯蔵出来る量が多いことを評価され、高ランクであるとされている。
この機能がリンカーコアの機能の大半といっても過言ではない。それにこの能力により扱える魔力の量や魔法の種類なども限られてくる為に魔導師のほぼ全員がこの機能しか意識しなくなってしまっている。
しかし、リンカーコアの機能はそれだけではないのだ。
リンカーコアで生成された魔力を使用し、魔法を行使することにより
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