彼と幼馴染と許嫁
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して海堂は席に座る。そして彼等が席に着いたのを見計らって、さっきも行ったらしいが再び自己紹介した。
「皆さんお静かに〜〜。えっとぉ・・・私は〜〜、このクラスの担任で一年の文学と歴史を担当します〜〜、雨渡豊華といいます〜〜。それでこのクラスの副担任が〜〜・・・」
と、雨渡担任が名前を言いかけた時、海童の時にも負けない程勢いよく引き戸があき、その副担任であるらしい人物が大声を掛けてきた。
「男子諸君!! 喜びに泣け喚け!! この天日学園のアイドル、みの―――」
「では、早速ですが〜〜」
「スルー!? 副担任で学園長を見事にスルー!?」
その叫びも聞かない事にしたらしい雨渡担任は、今日一番最初に行う事を口にする。
「保健室で身体測定をします〜〜、勿論男女別々で、最初は女子からです〜〜〜」
(入学早々身体測定か? いきなりだな)
普通、入学してからいきなり最初に身体測定を行う学校は、それこそ少ない方。海童もまだ身体測定は行わないと思っていたので、少しばかり疑問に思った。
実に連れられ廊下へ歩いて行く女子達・・・すると、最後尾にいたイナホが海童の方へ振り向く。
「海童様! では行ってまいります!」
「お、おお・・・」
名指しで様付でそうやって呼びかければ、皆の視線が集まるのは必至。女子からの視線は好奇ばかりなのでよいのだが、男子からの視線は痛い物があった。・・・それでも、視線がすぐ外れるのは、昨日の件があるからだろう。
何度目だろうかと溜息を吐いた・・・その瞬間。
「先生!」
「あら〜〜? 何ですか碓君〜〜?」
「ちょ、ちょっと腹が痛くて・・・トイレに行かせてください」
「あらあら〜〜、まだ時間はありますけど〜〜、なるべく早く帰ってきてくださいね〜〜?」
「は、はい・・・」
碓と呼ばれた男子生徒が教室を抜けていく時、海童は確かに見た・・・・・何かを企んでいる目を。
(・・・どうなっても知らんぞ、俺は)
暫く待っていると、女子の測定が終わったのか男性教師が入ってきて、次は男子だと廊下にならばせる。
ふと、何時の間にか帰って来ていたらしい碓の顔を見ると、靴底のような跡が付いていた。
間違いなく、覗きを行って踏みつけられたのだ。
入学して早々に何やってんだと、海童は頭を掻きながら先生について行った。
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「お嬢、どうしたんだこんな場所で」
場所は変わり木の上。
そこからは遠巻きながら1-Bの教室が見え、コ
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