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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼と幼馴染と許嫁
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待つか・・・)



 それじゃあ部屋に早速向かってくれ・・・そう言う為に口に加えていたパイプの様な物を外したのとほぼ同時、我慢の限界が来たようにショートから立ち直った春恋が呟く。



「私だって・・・」
「ん? どうした天谷―――」
「私だってっ! カッちゃんと一緒の部屋になりたいんだからぁっ!!」
「・・・フフフ」
「あ・・・!?」
「良いだろう・・・お望み通り“カッちゃん”と同じ部屋にしてあげようじゃないか、天谷副会長」



 やっと自分が何を口走ったか分かった春恋だが、実のニヤニヤとした笑みを受けて再びショートしたように顔を真っ赤にして固まってしまう。


 今だ自分に抱きついている少女を見た海童は、まだ彼女の名前を正式に聞いていない事を思い出した。



「そういえば、まだ名前を聞いていなかったが・・・」
「あ、はい! ・・・申し遅れました、私は櫛八(くしや)イナホと申します。今日より海童様の御身をお守りする為に参りました・・・許嫁として?」
「・・・あ?」



 最後の台詞と同時に頬に受けたイナホの接吻で、部屋内には又もや大きな驚愕が走る。特に春恋は、ショートから立ち直って先程とは別の意味で一気に顔を赤くする程に。



「ふ! ふじゅ、ふじゅじゅ、不純ふじゅじゅっ! いせせ異性ここっ交際いいいいー!!」
「落ち着けって副会長、許嫁なら仕方ないだろ。キスぐらいな」
「そう言う事ではありませぇぇぇええぇぇーん!!」
(あーあー・・・ホントやかましいのぉ・・・)



 春恋の叫び声は、それこそ校内に響き渡る程だったという。
















 四人が騒がしく去って行ったあと、実はドアを見つめ続けて溜息を吐いた。



「それにしても・・・面倒な奴らが入ってきたもんだね、今年は」



 その言葉を向けられているのは言わずもがな海童・・・だけでは無い。彼女の持っている資料には、更に二人の姿があった。


 その内一人は・・・何と櫛八イナホだった。



「あの時手に出していたのは十中八九マケン・・・だけど、模造品とは違う様だったしなぁ」



 そう・・・実は海童の反撃が本当にギリギリなものだった為か、戦いに乱入しようとしていたらしいイナホが、自分の持つ力を手に具現させていたのだ。勿論、その後海童のやりすぎとも言える反撃があった為、立ち止まってしまったのだが。



「一人はアソコから来た奴で、一人は魔拳(ナックル)『カムド』の保持者・・・まあここまでは良いんだけど、本当の問題は・・・大山海童、コイツなんだよな」



 それなりに様になっていた
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