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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼と幼馴染と許嫁
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の時に感じたものの、学園長は学園長。ちゃんと礼儀は持たないと・・・と、当たり前の事だが海童はノックをしてから入った。



「お、来たか」

(俺と戦った人と・・・ハル姉と・・・誰だ?)



 中にいたのは学園長の実だけでなくコダマ、そして初対面となるであろう少女が居た。



「さてと、チャチャッと簡潔に言うぞ・・・今回呼んだのは他でも無い。海童、姫神 櫛八。これからお前ら三人には、一緒の部屋に住んでもらう事にした」
「ええっ!?」
「何!?」



 その言葉に海童と春恋は身を乗り出すが、他二人は指して文句も無いようだった。何故そんな事にと、驚愕する海童へ、実が笑いながら声をかける。



「どうした? 嬉しくないのか? 美少女二人と同じ部屋だぞ?」
「・・・いや、普通俺は男子と同部屋だと思うのですが・・・」
「そうです! 不純異性交遊ですよこれは!?」
「一緒の部屋に住むぐらいいいじゃないか、別にさ」



 自分の力の事での驚愕もあってか余り言い返せない海童だが、春恋は別段そんな事は無く、勢いよくコダマの方を向いた。



「姫神さんは如何なの!? 男の人と一緒の部屋なんて・・・」
「わしは別に気にせん」
「う・・・じゃ、じゃあそこのあなたは!?」



 質問を向けられた少女は、にこりと笑って嬉しそうに答える。



「私も問題ありません! 寧ろ、海童様といっしょに慣れて嬉しいです!」
「・・・さま、だ?」
「はい! 会いたかったです、海童様!!」
「うおっ!?」



 答えた後にいきなり海童へ抱きついて行く少女に、一同差異はあれどそれなりに驚いた。特に海童は、様などと呼ばれた上にこれなのだから、余計に混乱するだろう。



「決まりだな! それに寮の部屋はもともと三人部屋が多いし、一人で使うなんてご法度だ」
「そ、そんなこと! 寮長である私が許しません!!」
「ほう? けど残念だったなぁ・・・私は学園長だ!!」
「!?」



 そう、寮を任されている者とはいえ、流石に頂点に君臨する者の権力には逆らえない。何やらショートしたように春恋は立ちすくむ。



(・・・別に俺も文句は無いが・・・これから暮らしにくそうだ・・・)



 自分が何を言おうとも学園長に撥ねのけられそうだと感じた海童は、恐らく櫛八という名字なのであろう少女に抱きつかれたまま、抱きつかれた衝撃で落ちかけていた帽子をかぶり直した。

 見た目にはアツアツな、しかし内面的には温度差の激しい抱擁を見ていたコダマは、海堂へ向けた視線を不意に鋭くする。



(奴の途轍もない力といい・・・カグヅチの言うとおり、見極められるまでしばし
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