オーバーロード編
第15話 一心同体
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だった、と思いながら。
「こんなことしてる僕を放置して行くの? 僕はオーバーロードと共謀して、ここの人たちにヒドイことをしてるんだよ?」
巴はふり返り、冴え渡った目を光実に向けた。
「行きます。わたしの一番は、碧沙です」
「そう――ヘルヘイムに行くなら、相当覚悟しといたほうがいい。特に関口さんは」
意味が分からず首を傾げた。光実はそれ以上言葉を重ねることなかった。
巴は今度こそドアの外へと進み出た。
巴はホールから初瀬が出るなり、ロックビークルをここで使えないか食い気味に尋ねた。あのラボに戻る時間さえ惜しい。
「わたしの持っているチューリップビークルは、ここで出すには天井が低すぎるんです。だから」
「んー……通路の長さからして、ギリギリ行けなくもないってとこだな」
初瀬はロックビークルを投げた。ローズアタッカーが展開し、初瀬はそれに跨った。
「後ろに乗れ。緊急事態だからノーヘルも二人乗りも無視で行くぞ」
「はい、お願いします」
巴はローズアタッカーの後ろに乗り、初瀬にきつくしがみついた。
初瀬がローズアタッカーのエンジンを吹かし、アクセルを回した。直後、衝撃が巴を襲い、ロックビークルは発進した。相当のスピードを出していることが、運転していない巴にも分かった。
顔を出して前を覗く。廊下の終わりはもう目の前だ。壁に激突する――そう思った瞬間、花形のクラックが開き、ローズアタッカーはヘルヘイムの森へ抜けた。
「このまま光実が言ってた遺跡とやらまで突っ切る! 離すなよ!」
「は、はい!!」
クラックを抜ける前とほぼ変わらないスピードで、ローズアタッカーは“森”を駆け抜けた。
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