彼の第一歩
[7/10]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ものを感じますわ」
「嫌な運命だぜ、早く断ち切りたいもんだ」
「しかし・・・言ってしまえばこれは決闘の様な物。そうは思いませんこと?」
「何が言いてえんだ?」
「つ・ま・り! 私が勝ったなら彼を返してもらう! という事ですわ!」
「こじつけやがって・・・受けてやるよ。でもアタシが勝ったら二度とその事で絡んでくんなよ」
「了解。では決闘成立ですわね」
どうやら二人の間には何かしら因縁がある模様。しかし、雰囲気はそこまでドロドロでは無い為、尚更何の因縁なのか気になる所だ。
アズキは屈伸や進脚をしてウォーミングアップを、ガレットは剣を構えたまま深呼吸を繰り返し、お互いの準備が整った所で実がマイクを取る。
『それじゃあ最初は在校生から・・・始めっ!!』
「行きますわよ・・・ハァッ!!」
開始の合図と同時に、ガレットは手に持っていた剣を下から上へと振り抜く。すると、刀身から風で出来た鎌の様な衝撃波が発生し、アズキへ高速で向かっていく。
しかし、見切っていたかアズキはわずかにずれる事でこれをかわす。衝撃波はそのまま後方へ向かっていき、飾り付けられていた紅白の布を切り裂いた。
「何・・・!?」
「アレが魔剣『サイズ』。“宿主”の意思に応じて刀身から構いたちにも似た高速の斬撃性衝撃波を発生させる、刀剣タイプのマケン・・・だが」
それだけ言うと、コダマは顔を上へ向ける。つられて海童も上へと視線を向けると・・・そこには何時の間に飛び上がったか、宙を舞うアズキの姿があった。
「“暴れ鷹” 相手ではそれも意味をなさいないか」
「跳んだ・・・!?」
「ちょ、ちょっと意表を突かれましたが・・・上へ飛んだのは愚作ですわね!」
ガレットは剣を振りかぶり、先程よりも速く鋭い衝撃波をアズキへ放つ。それを見たアズキは慌てる事も無く姿勢を整えると足を縮める。
「翔ベ・・・魔腱『ホーク』・・・天を踏む!!」
右足に機械的なブーツを着用すると同時、まるで壁でもあるかのように虚空を蹴ると、音速に匹敵するであろう速度で空中を駆けた。
その速度のまま回り込み、体を捻って勢いを付ける。
「しまっ・・・!」
ガレットが慌てて振り向くも時すでに遅し。アズキの脚は彼女の目の前にあり、あと一歩どちらかが動いていれば攻撃が当たっていたであろう事が、最早明白である状況となっていた。
『そこまで! 勝者、志那都アズキ!!』
実の勝利者宣言により、正式にアズキの勝ちが決まった。
「そ、そんな・・・また負けるなんて」
「あのな? お前口
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ