暁 〜小説投稿サイト〜
バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
騒がしい春の協奏曲(四月)
第一章 小問集合(order a la carte)
第二話 彼らとの出会い
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三人で(傍目から見ればガールズトーク、その実男2と女1)おしゃべりに興じていた。
気がつくとさっきまでそこにいたはずの坂本がいない。
ドアが開き、坂本が入ってくると教壇の前に立った。
「しかたねーか、俺らも教師が来る前に自己紹介を始めるぞ。」
そこでクラス全体を見回す。
どうやら他のクラスの様子を覗いてきたらしい。
「俺はこのクラスの代表、坂も……」
「すっみませーん、おくれちゃいましたー!」

『Gクラスはここじゃねー!』

全員で声をそろえて、なんてヒドいことを言うんだろう。
「いいだしっぺは貴女よ?」
反省はしています。


半泣きで秀吉に縋る吉井はさておいて、自己紹介が半分ぐらい進んだところで担任の福原先生が現れた。
施設への泣き言や待遇への不満はすべて「成績のせい」ということでイナされてしまい、みんな不満をためていたが、どうにか出来る話ではないので飲み込んだみたいだ。

「では皆さんが始めていた自己紹介を次の人から続けてください」
「木下秀吉じゃ、部活は演劇部に所属しておる。今年一年よろしく頼むぞい。」
右隣に座っていた秀吉が挨拶をすませると、次は僕の番だった。
「今年から文月学園に編入することに成りました、妃宮千早と申します。今年一年間よろしくお願いします。」
お辞儀をすると一人の男子生徒が勢いよく手を挙げ、質問したいという。
「妃宮さんのその髪は地毛なんですか?」
「はい、祖母が北欧の出身でして。ですが私の両親はどちらも黒髪なので隔世遺伝だと聞いております。」
おぉーとクラスの全体が叫んでいるように見える。
「じゃあその目の色もそうなのか。」
「はい。おかげで私の事はすぐに覚えて頂けるのに、失礼なことに相手の名前をすぐに覚えることが苦手でして。申し訳ないことになってしまうと思いますがお許しください。」
笑顔を作ると盛大な歓声をあげれてしまった。

(やりすぎてしまったかな。)
そう心の中で思っても仮面を外したりはしない、できない。
いかなる時だって、僕の隠している物を知られるわけにはいかない。
「わたしは島田美波。得意な科目は数学、不得意はそれ以外。ドイツ育ちなので日本語は苦手です。趣味は吉井明久を殴る事です。」
「やめてー!」
吉井が涙目で悲鳴を上げている。
初めて彼らのやり取りを見るけれども、おそらくいつもこの調子なのだろう。
がたがたと震えながら木下に泣きつく彼を恨めし気に睨む島田さん。
とてつもなくツンが先行してしまっているのだろう。
自己紹介はその後も続き、最後の者も言い終えたところで、タイミング良く再びドアが開けられた。
「あの…遅れて…すいま…せん」

遅れて入ってきたのは、ふんわりしたロングヘアーにウサギの髪留めを付けた女の子、姫路瑞希さんさん
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