暁 〜小説投稿サイト〜
バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
騒がしい春の協奏曲(四月)
第一章 小問集合(order a la carte)
第二話 彼らとの出会い
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んなバカなことを、目を輝かせながら言っていたんだぞ。」
そういって坂本はこんな話を持ち出した。
曰く、吉井明久という人物は一つのカップラーメンを一食目には半分だけを食べ、二食目には残った半分を食べ、三食目にはさらに残った半分を食べるというふうに繰り返せば一個のカップラーメンを永遠に食いつなぐことが出来ると主張したらしい。
「それは、確かに机上では可能ですが……現実では。」
「奴は六食目まで粘ったようじゃぞ。」
弁護しようないほどに
「…バカ、なのですね」
「だろ」
そういって笑う彼らに悪意などなく、むしろ親しみを持って彼のことをバカと呼んでいるのだろうと、僕は感じた。
「と言うことは、例えば皆さんさえも知らないうちにGクラスのようなクラスが新たに作られており、そのクラスに振り分けられてしまった、という事でしょうか。」
そう僕が言ったとたんに島田さんや秀吉たちは急いで廊下に走り出て、周囲を見回した。
だめだ、かなりの信憑性があるみたいだ。
「……お、驚かせないでよ。本当にある気がしたじゃない。」
「……わしも、一人だけポツンと教室で正座する明久の姿がうかんでのぉ。」
「……明久、お前はいいサンドバックだった。」
冗談のつもりが冗談になっていないだなんてことあるんだ。
「何をやったらFから落ちるんだ。」
いつの間にか周りのクラスメイトにも「吉井Gクラス説」が囁かれ始めていた。
「吉井なら自分の名前を間違えて書いて減点されるとか…」
「いや、答案の後ろ前を間違えて名前を書いて……」
「わからんぞ、あいつなら伝説的なマイナス点を……」
「それで『G』クラスか……。」

『さすがだ……』

なんだか本当にGクラスが在るような話になってしまっている。
会ったことはないけれど、ネタにしてごめんなさい。
心の隅の方で僅かにご愁傷様と念じる。
それでも、フォローも何も入れないのは少々行き過ぎな気がする。
「あの、振り分け試験の途中で退室することに成ってしまった私がこの教室にいるのですから、それ以下はないかと思うのですが。」
「そうなんだ、それでここに。」
「それは残念じゃったの。」
慰めをかけてくれる二人。
「じゃぁ、もし実力を出したらどれぐらい取れていたのかとか気になるわよね。」
「そうですね、あぁそう言えば化学の問題でしたら12、3枚ぐらい解きました。その次の数学で退室してしまったので他は何ともいえないのですが。」
「そうじゃとBクラス以上なのは確実じゃの。Aクラスにも入れたかもしれぬ…と言うのは、惜しいことをしたの。」
「そうなのでしょうか、熱で頭があまり回っていなかったのもあるので適当に選択肢を選んでしまった部分もあるので、一概にそのようにはいえないと思いますよ。」
それからしばらく、わいわいと
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