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【短編集】現実だってファンタジー
俺馴?その2ー2
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審者のそれにしか見えない。
震える唇と裏切り者を見るような瞳に、心当たりが思い浮かばず首を傾げる。何かしただろうか。どうせ下らないことだろうが。

「ぷ………プレゼント、だと?あんなに唐突なタイミングで、叱って沈めた上での掌返し……それも、好みを見抜いたうえでサラリと……俺の目の前でぇッ!?」
「おい、頭大丈夫か?悪いのか、頭が?」
「う、裏切者!!お前だけは永遠の盟友だと思ってたのに……!み、認めねぇ……全自動罵詈雑言製造機のさざめが俺より女心を理解してるなんて、認めねぇぞおおおおおおおおおおお!!」

晴はよく分からない供述をした後、走ってどこかへと消えてしまった。プレゼントが何とか言っていたが、どういう意味なのだろう。
マイリに聞こうかとも思ったら、「What a cute!!(可愛い〜!!)」と叫びながら反対方向へ走っていった。足運びに迷いがないことから、おそらくあれを抱えて大満足のまま家に帰る気だろう。進む方向が正反対なのに同時に走り出すとは変な奴等だ。

「まぁいいか。いい加減いりこもゲームに区切りをつけてるところだろう……残りはあいつに押し付けるか」

しかし、いりこは果たしてこう言ったものに興味があるんだろうか。あいつの部屋に入ったことがあるが、妙に殺風景だった。最低限の家具や女子を彷彿とさせる化粧道具などは一応あったが、全体的にものが少なかったのだ。おみくじを買い漁り、博物館の化石を買い漁り、STGに没頭する女。
考えれば考えるほど可愛いものに興味があるのか疑問に思えてくる。要らないと言われたらどうしようか。それはそれでいりこレポートに書く内容が増えるのだが。そう考えているうちに、ふとある事に気付く。

(何で悪い方の想定を立てて一喜一憂してるんだか……弱気な性格でもあるまいに)

普段はいりこのことなど何ともないと言っているような自分がそんなことで悩んでいることへおかしさがこみ上げた。自称幼馴染のUMA女だと言って気味悪がりながらも、結局毎日のように喋っているのだ。

もしもいりこが人間でなかったとしたら、この関係は変わるのだろうか。俺は今でのその可能性を捨ててはいないが、顔を合わせてコミュニケーションのとれる存在ならば、そこには人間・非人間の差異など些事なのではなかろうか。

例えば、人工知能に感情があるかという命題がある。
人工知能とはすなわち疑似的に形成された知能であり、狭義では電子機器のコントロールシステムやゲームのCPキャラの行動・思考ルーチンなどを指すが、SFでは専ら人間と会話が行えるほどに高度化されている場合が多い。

ここでよく問われるのが、果たしてそのAIが「楽しい」や「悲しい」といった感情を理解しているようなそぶりを見せた時に、その感情は本物なのかという部分だ。言ってし
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