1部
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怒るな、軽い仕返しだ」
「貴女の仕返しはシャレにならないんですよ!!」
「あははは、二人とも仲良いんだね」
そんな益体のない話をしている内にテンテンの言う茶屋に着いた。
ふむ、中華風の中々に風情のあるいい店じゃないか。結構、結構、こういった雰囲気や内装にのこだわった店は私は好きだぞ。店員に奥の個室のような部屋に案内され、メニューを見て品定めをしているとふと気になったことがある。
「テンテン、君はこの店にはよく来るのではないのか?」
「え、あ、うんそうだけど」
「嘘はいけないな、私に嘘は一切通用しない。私と関わるなら覚えておくといい……心拍数、発汗量、筋肉の動き、その他諸々を完璧に操れるというなら話は別だが」
「ごめん、この店前から気になってたけど雰囲気的に入りずらかったから……」
「なに、責めている訳ではないさ」
「けど、どうして嘘だって分かったの?」
「私は人の筋繊維の一本に至るまで把握できる眼があってね、物心ついた時には人の感情を肉体の反応から把握できるようになっていたのだよ」
「す、すごいね……」
「私個人としては面倒な物だよ。見えぬ方が良い物まで否応なく見えるのだからな……」
「ヒジリ?」
「ん?ああ、済まない少々愚痴っぽくなってしまったな。ところで注文は決まったか?」
「う、うん、私はこれにする」
「ネジも決まったか?」
「はい、俺もテンテンと同じ物を」
「それでは、店員!注文を頼むぞ!」
私が呼ぶとすぐに店員は席に注文を取りに来た。サービス面も中々いいじゃないか、接客業としては基礎中の基礎だがこういった類は店の評判を大きく左右するからな。
「ゴマ団子と烏龍茶のセットを二つ、温かいデザート三種盛り合わせと点心セット、季節のフルーツゼリー二種盛り合わせ、それとジャスミン茶を」
「かしこまりました」
「さて、あとは楽しみに待つだけ……どうしたテンテン、先ほどから君は驚いてたばかりだな」
「あなた、その体でどれだけ食べるの!?」
「それ程驚くような量か?軽食といえばこの量だろう?」
「……本当にあなたって不思議な人ね」
「テンテン、この人を把握しようとするのは徒労でしかない。この人と話す時は色々と諦めておくべきだ」
「ええその通りね、ネジ」
二人とも私に対してえらく辛辣だな……
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