第10話 普段優しい人ほどキレたら恐ろしい
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医療装置内の液体が排出されていった。
ピ―――ッ ピ―――ッ ピ―――ッ ガチャンッ
医療装置のフタが開いた。
「‥‥‥‥‥‥ガハッ!‥‥‥‥ゲホゲホッ‥‥‥おえ‥‥‥‥」
中に入っていたアスラが水を吐きながら立ち上がった。
「ここは‥‥‥記憶が抜けてるな‥‥‥どこだっけ?」
ガチッ ウィィーーーーン
円柱型の水槽が上に上がっていった。
アスラは部屋の中を見回した。
「どこが出口だ?」
ウィ―――ン
と、そこにリオさんたちが帰って来た。
「あっ、アスラが起きてる!」
マリーはアスラに駆け寄った。
そしてぺちぺちとアスラの胸を軽くたたいた。
「治ったみたいだね、アスラ」
そういえば骨折していたということを思い出したアスラは
自分でさすりながら言った。
「本当だ‥‥‥あの変な装置のおかげなのかな?」
それを聞いたリオさんの後ろにいた金髪の白衣を着た女の人が言った。
「変な装置とは何よ。これと同じレベルの治療マシンは世界中を
探してもあるかないかの物なのよ」
女の人はタオルをアスラに差し出した。
「あ‥‥‥すいません‥‥‥」
アスラは謝罪とお礼の意味をこめて言った。
女の人は眼鏡の位置を戻しつつ言った。
「早く拭かないと風邪ひくわよ、パンツ一丁なんだから」
「‥‥‥‥あ」
目覚めたばかりなので、まだ少しボーっとしているようだ。
アスラは体を拭きながら向こうの服のある部屋へと歩いて行った。
**********
ー巨大基地 休憩室ー
ウィ―――ン
ドアを開けてアスラが入って来た。
「ごめん、思った以上に体がだるくて‥‥」
服装も所どころ中途半端になっている。
ヂィッ
マリーはアスラに近寄ってパーカーのチャックを閉めてあげた。
「治ったけど、かなりお疲れさんだね」
眼鏡の女の人が言った。
「身体の細胞のエネルギーを使って治すから少し疲労するのよね
それが克服できれば重傷者の治療もできるんだけど‥‥」
「あの‥‥‥」
アスラは話を遮りつつ言った。
「あなたは誰ですか‥‥?」
ガクッ
女の人は肩を落とした。
「それ訊くの遅くない?まあいいけど‥‥‥
私はレイラ。ここの装置の製作を主に担当しているわ」
アスラは納得した。
「あの医療マシンもレイラさんが作ってたんですね。
あっ‥‥‥変なのとか言ってすいませんでした」
レイラは微笑みながら言った。
「いいわよ、別に怒ってないから」
アスラは少しホッとした。
「アスラくん、レイラ、そろそろいいかい?
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