第3話 直江大和、撃沈!自宅の自室で生来のカルマを叫ぶ坊主
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子の方や、お孫さんたちの成長が何よりの楽しみとしている昼行燈なご老人然としているらしい。
長寿の秘訣は枯れない事、と言う言い訳をのたまう理由として女子のプールを嬉々として眺めるどこぞの総代とは違って。
話が逸れたが、その藤村組が一体何の用だと思いながら校門に近づく。
「あれ?吉岡さんじゃないですか。如何したんですか?」
「んん?おー、百代ちゃんか。いやねぇ、ちょっと人を待ってるんだが・・・って!?お嬢さん!」
吉岡さんと言う方が“彼女”に向かい話しかけてきた。だがお嬢さんと言うのは如何いう・・。
しかも“彼女”はハァと軽くため息をついた後―――。
「――――誰がお嬢さんですか、吉岡さん。私は藤村組の一員ではありませんよ」
「それはそうなんですが、そう言う訳にもいかんのですよ。上からの指示でして」
そう吉岡成る人物が告げるとまた軽く溜息を零す。
「藤村組のNo,5である吉岡さんにこんなことさせるという事は、御爺様からですか?」
「ご名答です、お嬢さん。「ワシにとってもそっちにとっても大切な玉体に何かあったら死んでも死に切れん」と言われて、我々も仕方なくこうして参った次第です」
「――――わかりました。今回は従いますが、次からは来なくて構いませんよ。帰り次第御爺様に連絡をして直訴しますので・・・という事で皆さん、前言を撤回する事に成ってしまいますがよろしいでしょうか?」
迎えの男性と話が付け終わったのか“彼女”は、俺達に謝罪してきた。
「よろしいというか、ジャンヌからしても不可抗力なんだろうぉ。なら気にするなよぉ!」
「ああ、自分たちとは明日からでもいいだろうからな!」
すかさずキャップとクリスが返答した。俺としては本心からすれば残念極まりないが、ここで駄々をこねても事態が解決する筈もないので表面上は素直に諦めた。
「では、お嬢さん。良ければ車内にお入りください」
「はい。では皆さん、明日お会いしましょう」
そう言って“彼女”は車内に入る。
「“若”もそろそろアメリカから帰ってきますのでどうかご辛抱ください」
吉岡と言う男性の言った“若”と言う言葉に、義姉さん以外が頭にクエスチョンが浮かび上がった。
その時に俺は見てしまった。義姉さんすらも見逃す程の一瞬ではあったものの、“若”と言う言葉を聞いた直後“彼女”はほんの一瞬ではあったがとても嬉しそうな顔をしたのだ。
俺は彼女のあの顔の真意を知っている。
人脈構成のために観察眼をそれなりに鍛えている俺は、彼女の顔と同じようにした女性たちを何度も見てきた。
それは待ちわびた好きな男に会える嬉しさから来るものだった。
故に“彼女”の顔の真意を知っているがために、
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