暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos43王のマテリアルD/闇統べる王〜Lord Dearche〜
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――アリサ・バニングスと同じファミリーネームを持つ者の待つ訓練場へ向かっている自分の姿。
「わたしは技術部で、シャマル先生やすずかさんとお話ししながらメディカルチェックをしてもらってた」
リリィも右手の人差し指を顎に添えて考えに耽った。リリィの脳裏に過ぎるのは、シャマル先生――守護騎士のシャマルと同名の者と、すずかさん――月村すずかと同じ名前を持つ者と話をしている自分の姿。だが、それだけだ。
「あー、ダメだ、全然判らない。いきなり雨だし夜だし、見覚えのない場所だし」
トーマが頭をガシガシと掻いて、何故このような場所に居るのか理解できないことに困惑していると、彼の側に1冊の書物が突如として現れた。黒色の無地のハードカバー。表紙と背には銀で出来ている十字架の装飾があしらわれている。
「なんだよ、もしかしてコレ、お前の仕業だったりするのか? 銀十字」
トーマが“銀十字”と呼ぶ書物が発光すると、リリィは小さく頷いた後に「トーマが誰かに呼ばれた、って言ってるけど・・・」と、“銀十字”の思考を代弁したかのように告げた。するトーマが若干膨れっ面になり、「何の目的で俺を呼んだのかは知らないけど、知らせもなしにいきなり呼びつけるとは失礼だなぁ、その誰か。しかもリリィを巻き添えにして」と苛立ちを表した。
「トーマ、どうする? ここがどこかも判らないし、人を探そうにも・・・」
リリィがそこまで言いかけたところでまた“銀十字”が発光すると、「付近に生命反応なし」と彼女が僅かに肩を落とした。夜中であり、雨も降っている所為か、彼らの周辺に人が居ないとされた。人が居なければここがどこかも判らず、彼らが元いた場所に戻ることも叶わない。
「ど、どうすればいんだ・・・? あ、通信か!」
判らないなら迎えに来てもらえればいいと判断したトーマがどこかへと通信を繋げるが、「あれ? なんで?」一向に繋がらない。続けて別の知人に通信を繋げようと試みるも、「ダメだ、誰にも繋がらない・・・」ガックリと肩を落とした。
いよいよ以って窮地に立たされていると理解したトーマとリリィの表情には焦りの色が見え始めた。だが、ここでさらに2人に迫る窮地。“銀十字”が発光して、「生命反応が接近してくる・・・!」とリリィがトーマに伝える。
「しかも魔力反応付きだ・・・! もしかして俺たちを呼んだ当事者か・・・?」
トーマはリリィを庇うように一歩前に躍り出た。
「ま、そうであってもなくても、最悪、急に襲われるっていうのも嫌だしなぁ。ホントは荒事なんて避けたいけど・・・。リリィ」
「うんっ・・・!」
トーマとリリィが顔を見合わせて、「リアクト・オン!」強く頷き合った。一瞬の発光、次に姿を見せた時、トーマはガラリと様変わりをしていて、リリィの
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