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ロード・オブ・白御前
オーバーロード編
第13話 vsデェムシュ! 推参、極アームズ
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…』

 息を上げつつも、マリカがフェイスマスクの下で笑みを浮かべた――直後だった。
 街路の石畳が熱くなり、火柱が上がった。

 火柱から出て来たのは、マリカとシャロームにとっては最悪の敵。

『サあ、まトめて引導ヲ渡しテやル』

 紅いオーバーロードであった。

 マリカはバロンを見やった。バロンは肯き、ドライバーのレバーを握った。
 相手は一人。一度に攻撃しても互いの威力を殺してしまう。

《 レモンエナジースカッシュ 》
《 ピーチエナジースカッシュ 》
《 クルミオーレ 》
《 ドリアンオーレ 》
《 ドングリスパーキング 》
《 オリーブスカッシュ 》

 六色の衝撃波が360度をカバーし、紅いオーバーロードを襲った。
 6人分のアーマードライダーのソニックブーム。これを受けてはさすがのオーバーロードもダメージがあるはず。

『無力、あまリニ無力!』

 しかし紅いオーバーロードは、ソニックブームを体表に矯め、360度全方位に弾き返した。

『ぐあっ!』
『ああっ!』

 それだけに留まらず、紅いオーバーロードは手に顕した火球を回し投げし、マリカたち全員を襲った。





 シャロームはようやっと起き上がりながら、周りを観察した。
 全員、闘志こそ折れていないが、体のダメージが意志に付いて行けないレベルに達している。

『諦めちゃ、ダメだ!!』
『粘りに粘ってチャンスを待つの!』

 グリドンとブラーボは言うが、諦めずに戦い続けようと、ブラーボが使った意味でのチャンスは訪れない――シャロームたちであれば。

 その「チャンス」は、ただ一人の男が到着するまで持ち堪える、ただそれだけ。

『――来た』

 ヘルヘイム抗体の持ち主は、五感が鋭くなる。抗体保持者が碧沙と裕也しかいないので、確定した説ではないが、現に碧沙は鼻が利くし、裕也は――

『大遅刻だぜ、ヒーロー』

 耳が異常なほど遠くの音も捉えられるようになった。

「悪ぃ。無理させて」

 フルーツが刻まれた金の鍵を持った葛葉紘汰が、ついに駆けつけた。

『で、分かるよな、この状況。……後は頼む』
「任せろ。裕也たちは休んでてくれ。――変身!」

 紘汰は生身のまま紅いオーバーロードに駆け出し、何も持たない腕を揮った。それと同時、紘汰を夕焼け色の鎧が装甲し、手に現れた無双セイバーが紅いオーバーロードを斬りつけた。

 紅いオーバーロードが火球を鎧武に放った。
 炎上しながらも、鎧武はダメージを受けた様子がない。それどころか、新たなロックシードを開錠した。

 頭上に開く、無数の円形クラック。

《 フルーツバスケット 》

 落ちたアームズが乱舞し、赤
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