第31話 第三次グリニア星域会戦
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現状のまま放置するのも悪手であった。
「ううむ……不味いな」
思考が漏れての言葉であったが、それに参謀長が異を唱えた。
「はっ? 現在敵との戦闘は互角かと思いますが」
「貴官にはそう見えるか?」
「敵は数の劣勢を戦術と艦隊運動でカバーしていますが、それとて無限ではありますまい。その事を加味すると、寧ろ我が軍が優勢と思っておりましたが……」
「確かに、本体同士の戦闘は今のところ互角。だが、別動隊の方は帝国軍が優勢に進めている。第十三艦隊が押し切られ、敵別動隊に側面を突かれれば……我々は窮地に陥る」
「!!」
参謀長の顔が驚愕に染まる。
「こちらの戦況だけであれば、貴官の言も尤もなのだが……下手な欲は掻かん方が賢明か。第二艦隊司令官、モンド中将を出してくれ」
しばらくして、スクリーンにモンド中将の姿が映し出された。
「モンド中将。貴官には艦隊の半数6000隻を率いて第十三艦隊の援護に向かってもらう」
『はっ、了解しました。しかし、残りの半数は………』
「残りは貴官らがこちらの戦列に戻るまで第一艦隊の指揮下に置く。心配は無用だ」
モルド中将率いる6000隻の艦艇がルフェール軍本体より離脱する。
無論、その隙を見逃すワーレンではなかった。
「先にクルーンシュテルン艦隊を片付ける腹か。だが、あの程度であれば、後退は免れんにせよ全滅することは無いだろう。ならば、今のうちに敵本体を叩くぞ!」
ここが勝負時と見て攻勢に出たワーレンは、第一艦隊の各所に穴を穿ち、その中で最も大きな3つの穴へ戦力を集中投入して一気に第一艦隊を食い破ろうとする。
が、アルベインもさるもの。
ワーレン艦隊が攻勢に出た時の一瞬の陣形の乱れを的確に突いて逆撃をかけてワーレン艦隊の突出を封じる事に成功した。
両軍の間に膠着状態が生まれるが、ここへクルーゼンシュルン艦隊を撃退した第二、第十三艦隊が戻ってくる。
「ここまでだな……全軍、敵を牽制しつつ後退。クルーゼンシュテルン艦隊と合流するぞ」
第二、第十三艦隊が向かって来るのを見て、ここが引き時だと判断したワーレンは即座に後退命令を出す。
「追撃は無用だ。第二、第十三両艦隊との合流を優先せよ」
また、アルベインも帝国軍の一糸乱れぬ整然とした後退行動と、自軍の艦列の乱れから追撃には大きなリスクを伴うと判断。
両軍とも、別動隊との合流と艦隊の再編を図った。
・・・・・
ルフェール、銀河帝国双方の主力部隊が艦隊の再編を行っている頃、ルフェール軍の別動隊3個艦隊はそれぞれの場所で銀河帝国軍の襲撃を受けていた。
第三艦隊は旧アルノーラ領トレーダ星域でバイエルライン艦隊の。
第五艦隊は旧ハーラン領オンデット
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