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剣の丘に花は咲く 
第十三章 聖国の世界扉
第五話 世界ガ悪魔ニ壊サレル前ニ
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浮かべながらチラリと給仕の少年に精進料理のおかわりを催促するが断られてしまい、先程からチラチラとまだ手が付けられていない料理を覗き込んでいるセイバーに視線を向けた。

「で、先生の悩みの種は、もしかしてそのルビーの指輪が関係しているのかしら?」
「ん? ああ、コレのことかい?」

 キュルケの視線の先にある、机の上に転がっているルビーの指輪を見下ろし、コルベールは苦笑いを浮かべた。

「まあ、そうだね」
「へぇ……なに? もしかしてそれって昔の女のものとか? あらあら先生も隅に置けないわね。そう言えば大聖堂(ここ)についてから様子が変だったし……あ〜そっか、その女ってのが教会関係者だったとか?」
「……否定はしないよ」

 ルビーの指輪を持ち上げ、目を細めるコルベールに何かを感じたのか、キュルケは続く言葉を飲み込むとそっと視線を逸らすと、重くなりかけた空気を変えるために丁度粘り強い交渉の末手に入れたお代わりを食べ終えながらも、まだ満足出来ないのか、チラチラとコルベールが今だ手に付けていない料理に視線をやっているセイバーに話しかけた。

「そう言えば、アルトってもしかして陛下の知り合いなの?」
「え? いえ、そんな事はありませんが」

 未だ満たされない腹をワインで誤魔化していたセイバーが、グラスをコトリと机の上に置きながら首を傾げる。

「でも、随分あなたの事を気にしていたようだけど?」
「本当に覚えはないのですが」
「……そっかぁ〜」

 不思議そうに疑問符を浮かべるセイバーに嘘を言っている様子が見えなかったことから、キュルケは諦めたように再度ベタリと机の上に突っ伏した。

「本当に一体どうしたのかしらねぇ……あのお姫さまは……」





 キュルケが質素な料理に部屋の廊下を挟んだ隣の部屋―――大晩餐室では、士郎達が独特な重苦しい空気が満ちる中、黙々と机の上に並ぶ料理を口に運んでいた。もそもそと質素な精進料理を咀嚼しながら、士郎は両隣に座るルイズとティファニアを見回す。ティファニアは緊張しているのか、カチャカチャとフォークとナイフの音を必要以上に響かせている。ルイズはルイズで随分マシになったが、未だにそわそわと挙動不審なアンリエッタをじ〜と見つめて、一度も食事を口にしていない。隣に座っている銃士隊長のアニエスも心配気にアンリエッタに頻繁に視線を横に向けている。
 そんな微妙な空気漂う中、テーブルの上座に座るヴィットーリオが、ジュリオからの本日の報告を受けている。
 士郎はアンリエッタから視線を外すと、ヴィットーリオへと視線を向けた。
 教皇聖エイジス三十二世―――ヴィットーリオ・セレヴァレ。
 ある意味ではこのハルケギニア最高の地位にいる人に初めて会った際の士郎の感想は―――『厄介そう
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