第十三章 聖国の世界扉
第五話 世界ガ悪魔ニ壊サレル前ニ
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ジュリオの先導によりようやっと大聖堂に到着した士郎達一行は、到着して直ぐに主であるアンリエッタに到着した旨の報告をしたのだが。初めは笑みを浮かべて士郎達を迎え入れたたアンリエッタだったが、士郎から紹介されたティファニアの隣に立っていたセイバーを目にした瞬間、目を見開き驚愕を示した。突然呆然と立ち尽くすアンリエッタに、ルイズ達は驚き慌てふためき心配気に声をかける。ルイズたちの声にはっと意識を取り戻したアンリエッタは、落ち着き無く辺りを見渡すと、突然『きゅ、急用を思い出しましたので、す、少し失礼しますっ』と言うと士郎達を置いて何処かへ去っていってしまった。取り残された士郎たちは、同じく取り残されたアンリエッタの近衛であるアニエスが、戸惑いながらもこれからの予定について説明を始めた。
「そ、その、お疲れさまでした。晩餐が用意されていますので、どうぞこちらへ。ああ、ミス・ルイズ、ミス・ティファニア、それと……ミスタ・シロウはこちらへ」
用意された晩餐会は、二つの部屋に分かれていた。アニエスが口にしたルイズとティファニア、そして士郎は、後からやって来たジュリオに連れられ教皇ヴィットーリオが出席する大晩餐室と、それ以外の者に用意された少し広めのただの部屋であった。
士郎たちが連れられていくのを憮然として見送ったキュルケたちだったが、無駄に騒ぐ事なく用意された部屋に大人しく入ったいった。しかし、そこで出された料理の余りの質素さに、キュルケは遂に不満が爆発してしまう。
「ッ何よこれっ! 苦労して来たってのに、これが歓迎の晩餐だって言うつもりっ!? このスープなんかほうれん草しか入ってないじゃないっ!」
「今日は精進日」
「……あたし、精進日をきちんと守ってる晩餐なんか初めてよ」
黙々と質素な料理を口にしながらぼそりとタバサが呟いた言葉に、キュルケはがくりと机の上に崩れ落ちた。
「……アルトは良くこんなまずい料理を食べれるわね」
ぺたりと机に頬を付けながら、じろりとパクパクとまずい料理を口にしているアルトを睨めつけた。
「んぐんぐ……んん。キュルケ、この料理は決してまずくなどありません。きちんと調理されている―――雑な料理ではありません」
「これでまずくないなんて……あなた一体どんな料理を食べた事があるのよ……逆に興味が沸くわね」
はぁ……と溜め息をついたキュルケは、そこで先程から料理に手をつけず黙り込み何か考え込んでいるコルベールをチラリと見る。
「どうかしたのコルベール先生? 料理に手をつけないで……確かにまずいけど、食べなかったら―――アルトに全部食べられてしまうわよ」
「ははは……確かに、早く食べないと彼女に全部食べられてしまいそうだね」
キュルケに声を掛けられたコルベールは、苦笑いを
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