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FAIRY TAIL 星と影と……(凍結)
幽鬼の支配者編
EP.24 想い重ねて
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暗雲が掛かった思考でそう考えた彼女は、ギルドに加入してから一ヶ月後に弟と妹を残して街を出ようとした。

 幸い、荒んだ心にも妖精の尻尾(フェアリーテイル)はいいギルドに映っていた。
 だから弟と妹……エルフマンとリサーナは上手くやれるだろう……そう思えば、離れ離れになる事に未練は無かった。

「おい……おいってば」

 どことなく物悲しくなるような斜陽の差しこむ夕暮れ時、黄昏のオレンジ色に染まったマグノリアを出ようとするミラジェーンの耳は、少年の声を捉える。
 誰かを呼ぶ声だが、碌に知り合いもいない自分にはきっと関係のない事だ。そう思い、無視していたのだが……

「おい……おい、お前だよ!」
「うわ!?」

 唐突に肩を掴まれ、彼女はびっくりして振り向く。
 そこに居たのは、同い年くらいと思われる黒髪の少年。何かと彼女に話し掛ける緋色の髪の少女と一緒にいる事が多い少年だ。そのどちらも、彼女は名前を覚えていなかったが。

「……何か用?」
「用? って……あーもう……お前、確かミラジェーンっていったか?」

 鬱屈そうに聞くミラジェーンに、苛立ちから呆れたような表情になったその少年は彼女の名前を確かめるように聞いた。

「私は……人間じゃないから」
「あぁ?」
「だから、名前なんてない」

 聞かれた事には答えた、もういいだろう。
 誰とも話す気にはならなかった彼女はそう言い、そのまま踵を返して街を出ようとしたのだが……

「……確かに重症だな、こりゃ…………はい、失礼」

 何事か言うと、その少年は素早く彼女の前に回ると……右腕をかき抱くようにしていた左腕を素早くどけて、身体を覆うローブをめくった。

 そこにあったのは節々に発疹を思わせる腫れのようなものができている黒い右手。
 左手は正常な人間なものである……左右非対称(アシンメトリー)である事を差し引いても、見る者に生理的嫌悪感を抱かせるのには十分な右手だった。

「な、なにを!?」
「……ふーん、なるほどね……」

 思案顔で頷く少年の手を振り払うと、彼女は少年を睨みつける。

 ずっと隠していた忌々しい悪魔の腕を見られた。きっとコイツも私を苛めるんだ。
 ならいっそ……黒く凶暴に染まる思考でそう考え、少年目掛けて右腕を振り下ろす。

「おっと……随分人間らしい反応じゃないか」

 村では手の早い事で有名だった彼女の攻撃を、少年は身体を捻るだけで軽く躱す。
 そして、『人間らしい』という言葉に、彼女は訝しげな顔になった。

「だってそうだろ? 秘密を見られて怒る。至って普通の人間の反応だ」
「私は……! 私は人間じゃ……!」

 せせら笑うような少年の言葉に彼女は心をざわつかせる。
 原因は明白
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