幽鬼の支配者編
EP.24 想い重ねて
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姉ちゃんにとって、もう二度と見たくない姿だったとしても。
理性を失い、暴れるだけの存在になり下がってしまったとしても。
大切なものを守るため……“獣王”の力を再びこの身に。
「エ、ルフ、マン……」
またあの時――リサーナの時みたいに、自分は失うのか……万力のような力で締め上げられて朦朧とした意識の中、弟の危機に何も出来ないと、ミラジェーンの心は絶望に沈んでいく。
だが、妹の死を、亡骸すら見つけられなかった自分の無力を自覚した時、彼女の心に僅かな灯が生まれた。
「(このままでいいの? リサーナみたいに、エルフマンまでいなくなるのを……私は何もできずに見ている事しかできないの?)」
誇っていい力だ。大事な誰かを守れる力だ。
「(そんな、そんなの……)いや……いやぁああああああああぁぁああっ!!」
自分を救ってくれた男の子の言葉が脳裏をよぎり、ミラジェーンは絶叫した。
ガラスのような音を立てて心に亀裂が入るのも構わず、強く願う。
私の誇り――大事な者たちを、家族を守れるなら……この身と心がどうなっても構うものか。
だから……
「あぁぁあああああああああああああああああああぁぁあああっ!!」
傲慢だった頃の自分を。
妹を亡くす前の自分を。
大切なものを失わないため……“魔人”の力を再びこの手に。
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