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FAIRY TAIL 星と影と……(凍結)
幽鬼の支配者編
EP.24 想い重ねて
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うだった。
 そんな自分には、彼の行動と言葉が、まるで長い夜を終えて夜明けを告げる光明にも感じられたのだ。

 しばらく見ていない姉の笑顔に困惑したエルフマンとリサーナは尋ねたが、彼女はそれに応えず、今まで心が沈んでいた分を取り戻すかのように溌剌と笑いながら、自分を心配して来てくれた二人の頭を左手で、そしてワタルが魔法解除(ディスペル)した右手も使って撫でる。

「さあ、二人とも、明日は朝一で謝りに行くぞ」
「あー……うん、だよね……」
「怒ってないといいけどなぁ……」

 狼狽える妹と弟と共に、ミラジェーンは久しぶりに晴れやかな気分で帰路に着いたのだった。


    =  =  =


 忌み嫌っていた自分の力を、大事な人を守れる力だと言ってくれた人がいた。
 それは紛れも無く光になって、真っ暗だった自分の道を照らしてくれた。
 不幸を呼び込んだと、嫌っていた自分の力と向き合い、自信を持つことができたのだ。

 だが、自信と傲慢は紙一重。
 S級と呼ばれる他の魔導士とは一線を画す存在になった時……ミラジェーンは自分でも気づかないうちに奢りを抱いていた。自分は仲間を、家族を守れると歓喜し、それを疑わなかったのだ。

 そして……現在から2年前のX782年、彼女はS級クエストに補佐として連れて行った妹のリサーナを喪う事によって、その傲慢のツケを払わされることになってしまう。




「さて、今度こそ終わり(フィナーレ)にしてあげましょうか」

 かつては“魔人”と恐れられても、今はすっかり魔力が衰えてしまった姉の苦しむ姿、それに対して何もできない自分の無力……エレメント4の一人・大地のソルにとって、標的(エルフマン)のそんな絶望は極上のワインにも勝るほどに甘美な物であった。

 普段ならもっと味わってからとどめを刺すところだが、一度失敗した自分に再度の失敗は許されない。

 ジョゼの怒りに恐れを抱くソルはそう考えると、手を掲げ、鋭い石の杭を精製して切っ先をエルフマンの喉元に向けた。

 当のエルフマンは捕らわれの姉・ミラジェーンの姿しか見えていないようで、自分が命の危機にある事を気付かない。

 ただ、無力に泣く姉の安否を気遣うのみだ。

「なんで、また……姉ちゃんが泣いてんだ……!」

 自分の失敗でリサーナが死んだ。
 あんな思いはもうしたくない。姉の嘆きの涙は二度と見たくない。
 だから、姉を守れるくらいに強くなりたいと願ったのだ。

 なのに、今、姉は捕まって苦しみ、泣いている。

 その事実に激昂したエルフマンは、怒りのままに叫んだ。

「姉ちゃんを、放せぇえええええええええええっ!!」

 今再び……大切なものを守るために、力を願おう。

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