ドニ、襲来
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の神ウルカヌスから簒奪した権能である。周囲一帯の文明を半日ほどの間中世レベルまで退行させ発明を封じる。発動時には、何らかの物体に『nudus ara』『sere nudus』とラテン語で刻むのが条件で、文字を刻んだ物を破壊すれは権能を解除できる。規模としては小都市を覆う程度だが、呪力を振り絞れば範囲は大都市レベルまで跳ね上がり、持続時間も日単位まで延長させることも可能である。
この発動媒体は、今は彼の背負った小さなリュックに入れられている。
この権能を発動したままのドニが日本に近づくにつれて、その付近の海上自衛隊などの船は全ての機能を停止する。彼は、邪魔者が一切いない海を、悠々と漕いできたのだ。
まつろわぬ神や神殺し同士の戦闘などより、無差別テロに効果がありそうな権能だが、唯一、【聖魔王】名古屋河鈴蘭には通用する。この権能と、もう一つ彼が隠し持つ権能を合わせれば、彼女は完全に無力化されてしまうのである。
「さて、さっさと探そうかなー。」
本来なら、彼には機械による監視の他に、術による監視も張り付いていた。・・・が、彼は監視の術など片手間にぶった斬る事が出来るので、既に彼を補足している人間はいないのである。
「どっちかなーっと。」
彼は、元々呪力を溜め込めない体質だったが故に、テンプル騎士としては落ちこぼれであった。カンピオーネとなり、その体質が改善した今でも、呪術を習う気など、彼には一切存在しない。
・・・ならば、機械も使えないこの状況で、どうやって護堂を探すのか?
「あっちかな。」
答えは、『勘』である。
ただ、カンピオーネの勘は、たかが勘と侮る事ができない。闘争本能が高ぶるにつれ、まるで未来予知でもしているかのような超直感を使うことが可能だからだ。ドニの闘争心は、既に最高潮に達している。
「さーて。どんな人かな。【混沌の王】って。強ければいいなー。」
こうして、一人目の災厄が、【魔界】へと侵入したのだ。
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