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日向の兎
1部
6話
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んな。




なんとか数をこなせたものの流石に疲れたな。池から上がろうという気力すら湧かんので、池にプカプカと浮いて体が休まるまで雲でも眺めているとしよう。
「ヒジリ様」
……この男はどうしてこうもタイミングが悪いのだ?まぁいい、話くらいは聞いてやるとするか。
「なんだ?」
「いえ、急ぎではないのですが、ハナビ様がヒジリ様にお会いしたいと」
ハナビが?これはまた随分珍しい……親父殿が聞けば面倒な事になりそうだが、妹の頼みだ。私としてはこれを聞かないわけにはいかないだろう。
体の気だるさを押し殺して池から上がり、シャワーを浴びようとすると。
「ひ、ヒジリ様!?」
「今度はなんだ?私はシャワーを浴びたいんだが?」
「どうして服を着ていないんですか!?」
こいつは阿呆なのか?何故水の中に入るというのに服を着なければならないんだ?
実戦でならば服を着たまま水に入ることがあるかもしれないが、その分の重量は重りで考慮しているし何より鍛錬の度に服が水浸しになっては敵わん。着物の洗濯はそれなりに大変なんだぞ?
「何を慌てている、ネジ。こんな小娘の体に欲情するなど、幾ら歳が同じとは言えど少なからず性癖に問題があると言わざるを得ないぞ?」
「逆になんで貴女はそんなに堂々としていられるのですか!?」
「何故見られて恥ずかしいのだ?私の体はそこまで恥じる程だらしない体はしていないし、人並み以上には鍛えている。
そこにはそれ相応の努力も払ってきたし、これからも払うつもりだ。努力を持ってして手に入れた物を恥じる必要性がどこにあるのだ?」
「聞いた俺が馬鹿でした……取り敢えず俺は要件を伝えましたからね。それと、ハナビ様にお会いする時は必ず服を着て下さいね」
そう言ってネジは走り去っていった。……騒々しい奴め、そもそも姉の裸ぐらいで一々喚くな。
それにしてもハナビか……親父殿はヒナタよりもハナビを当主に据えるつもりらしいな。
ふむ……ハナビは親父殿の意向でヒナタとは違い私と会うことを禁じられている上に、十中八九ロクでもない女だと私の事を教えられているだろうに何故急に会いたいなど言い出したのだ?私としては構わないどころか大歓迎なのだが、どうにも理由がよく分からんな。
まぁ、こんなところで考え込んでも分かる筈も無し、さっさと用意を済ませて会いに行くとしよう。






「あなたが姉上ですか?」
「ああ、初めましてだなハナビ」
勘当を食らってから訪れることの無かった日向の道場だが、相変わらずなんとも小綺麗なままだな。そんな道場の中央に今年で六つのハナビが正座をして私を見ている。
見たところ姉妹の歓談というような雰囲気ではなさそうだが……私がハナビに何かした覚えはないぞ?いや、親父殿からの悪評による先
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