第21話 国交樹立
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ブリミル暦6226年 ウィンの月 フレイヤの週 虚無の曜日
皇紀2784年12月 1日 トリステイン王国 トリスタニア(首都) トリスタニア王宮
Side エドワード1世
謁見の間にて、玉座に座るエドワード1世とその横には、ラ・ヴァリエール公爵が立っていた。その周りには、トリステインの要職にある貴族が集まっていた。
「太平洋連邦、親善大使一行。御成〜り〜。」
広間に呼び出しの声が響く。
扉を衛兵が開き、プロトを先頭に光輝達が入って来る。
今回は、国交樹立の調印式であり、プロトが太平洋連邦の議長であり、親善使節団の代表である。
プロト達は玉座の前まで歩いて行き、国王に一礼した。
「この度は、遠路遥々ご苦労でした。」
ラ・ヴァリエール公爵がトリステインを代表して挨拶をする。
「無事に国交樹立の調印式を迎え、甚だ喜ばしい限りです。紹介しましょう。こちらが、太平洋連邦の諸国を代表しますプロト議長です。そちらにいらっしゃるのがトリステイン王国を統べる国王のエドワード1世陛下、その横の方がラ・ヴァリエール公爵です。」
光輝がそれぞれを紹介する。
各々が挨拶を交わし、調印のテーブルに着いた。
トリステイン国王と太平洋連邦議長が国交の条約文書にサインをし、条約文書を交換して、握手をした。一斉に出席者達が拍手を送った。儀礼的なやり取りであった。
和平条約が結ばれ、これ以降両国は、固い絆で繁栄していくのである。
条約の中身は、アメリカ大陸の一部領土割譲と大型貨物船5隻、大型客船3隻の譲渡に始まって、地下の風石鉱脈の採掘やトリステインの領土開発が盛り込まれていた。
具体的には、風石鉱脈から採れる風石の内、3割りをエクリプス社が受け取り、4割りを領土開発やインフラ整備に充てる、残り3割りはトリステイン国庫に納める。また、その一部は、適正な相場価格でエクリプス社が金塊で買い取る。と言うものであった。
インフラ整備は、上下水道の完備から学校や病院の建設、道路や鉄道の整備、風石発電所や港、飛行場建設まで含まれる。
Sideout
同様な条約は、アルビオンやガリア、ゲルマニアとも結ばれ、アルビオンでは貴族議会が出来、ガリアでは双子を忌み嫌う風習を撤廃させ、ゲルマニアには、選定皇による皇帝選挙制度を導入させた。
ただ、ロマリアだけは条約の締結に至っていない。これは、厳しい条件のためだ。政教分離や新教徒の迫害禁止、異端審問の即時撤廃などである。
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