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少女1人>リリカルマジカル
第十三話 幼児期L
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人は限られていたんだ。


 ……ごめんなさい。それだけしか、俺が彼女に伝えられる言葉はなかった。



******



 無印が終わっても、物語は終わらない。フェイトさんという歯車を失ったままでも、世界は回っていく。負の連鎖は立て続けに、少女たちの幸せを壊していく。

 第1期が終わった半年後ぐらいに、第2期A’sが始まる。1人の少女と1冊の魔導書を廻る悲しい闇の物語。俺と同じ、家族を護りたいと願う幼い少女の物語。

 舞台は同じ地球であり、八神はやてという、『闇の書』と呼ばれるロストロギアの主に選ばれた少女が登場する。天涯孤独で足が不自由な少女は、それでも優しさと温かさを持っていた。誕生日に発動した闇の書の騎士たちを受け入れ、家族として幸せな日常を暮らしたいと願った女の子。


「こうして考えてみると、はやてさんも理不尽な人生送ってるよな」

 はやてさんの願いは、家族となった守護騎士たちと幸せに暮らしていきたい。俺の願いとなんだか似ている。

 闇の書の守護騎士として、今まで多くの人の命を奪ってきた彼ら。本来は物語として死ななければならない妹と狂う母親。それでも、俺とはやてさんにとっては失いたくない、かけがえのない存在。それを護りたいと思うその心は、決して間違ってないと俺は思う。ただ彼らを取り巻く状況が、それを許さなかっただけで。

 ……ちょっと感傷的になりすぎたか。とりあえず、原作の流れを簡単にまとめてみよう。


 はやてさんが9歳になり、ロストロギアである闇の書が目覚めたことで物語は始まる。幸せな生活を送っていたが、はやてさんの足の麻痺が闇の書のせいだと知る。このまま何もしなければ、はやてさんは死んでしまう。それに納得できない守護騎士達が、はやてさんを助けるために魔力の源であるリンカーコアを狩り出した。

 ……まじめに書いていたが、長いしダイジェストでいいか。

 シグナムさんが剣ブンブン振り回し、シャマルさんが鬼の手使ってて、ヴィータさんがロリハンマーで、ザッフィーがワンコしながら、騎士達蒐集する。なのはさん落ちて、フェイトさんも落とされた。グレアムさんと猫が暗躍。でも、クロスケ君頑張った。闇の書が実はバグってて、本来は夜天の書という魔導書であり、はやてさんがその管制人格に「リインフォース」という名をつけた。バグの原因をふるぼっこビームして、はやてさんの幸せのためにリインフォースはさよならした。

 ちょっと悲しいけど、ハッピーエンド。それが、俺が読んでいたA’sの感想だ。別れはあった。けど、はやてさんは守護騎士達と暮らし、友達もできた。涙を流しながらも、それでもはやてさんは前に進み、笑顔で未来に向かっていった。


 では、歯車が抜けた世界ではどう変わる?


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