第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
日向
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だ。しかし限界であることに変わりはなく、これ以上ネジの攻撃を受けたらヒナタは高確率で死ぬ。そう判断したヒルマが半ば逆切れしてナルトに向き直った。
「とめるなじゃないですよとめるなじゃ!! 彼女が立ち上がろうとしてるとしてももう限界なんですよッッ!! もし彼女が死んだらわたくしにどう宗家に申し開けと!? 殺しを容認している試合とは言えこれ以上は……!」
「ヒナタがまだ立ち上がろうとしてんだ、邪魔すんじゃねえ!!」
「あんたこそ邪魔すんじゃねえって気分ですよこちらとしては!」
宗家にどう申し開けばいい、のあたり完全に彼自身の都合だが、しかし彼の言うこともあっている。ナルトとしては、同じ落ちこぼれであるヒナタを応援したいかもしれないが、こちらはそうも行かない。死者数を最低限まで減らすのが目標の内であるし、日向分家の医療忍者として日向宗家の長女を死なせるわけにはいかないのだ――例え彼女が既に彼女の父親に諦められているとしても。そうこう怒鳴りあっているうちに、ヒナタはなんとか立ち上がってきていた。立つだけで精一杯のようではなかったが、それでも彼女は、立ち上がった。
「何故立ってくる……!? これ以上やれば、本当に死ぬぞ……! ッ何故!?」
――やっと私を見てくれる、憧れの人の目の前で、かっこ悪いところは、見せられないもの
「まだまだッ……!」
「強がっても無駄だ。立っているのがやっとだろう」
ネジはまた語りだした。これらの言葉がヒナタのやる気を少しでも殺いでくれればいいと思いつつ。
「貴女は生まれながらに日向宗家という宿命を背負った。力のない自分を呪い、責め続けた。けれど、人は変わることなど出来ない。これが運命だ。――もう苦しむ必要はない。楽になれ!」
そう言ったネジに、ヒナタは黙って首を横に振った。「それは違うわ、ネジ兄さん」と言う。
そしてヒナタが口にしたのは爆弾だった。
「だって、私には見えるもの。私なんかよりずっと、貴方が苦しんでいるの……宗家と分家という運命の中で、本当に苦しんでいたのは、貴方のほう……」
「――!!」
ネジの憤りは、その白い瞳を曇らせた。
猛然と走り出し、ヒナタに更なる一撃を与えようとするネジを受け止めようと数名の上忍が身を乗り出したが、それには及ばなかった。そんなネジを受け止めたのは、同じ日向分家たる日向ヒルマだった。
「爆弾投げたヒナタさまもヒナタさまですけど、ネジ君もそんな易々と爆発しないでくださいよ! ヒナタさま死なせたら私たちの額が激痛に見舞われるかもしれないのに!!」
ヒナタとネジのどちらに味方するでもなく、あくまで宗家にそんなことをしたらどうなるかを解くヒルマはある意味で日向分家らしい人間だとネジは時たま思う。宗家が憎い、けれ
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