第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
日向
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れをかわしたネジが反撃してくる。チャクラが止められている以上、ただの柔拳では相手にダメージを与えられない。今回は柔拳だけではなく、足払いをかけたり、蹴りを飛ばしたりなどの剛拳も交えてネジへ反撃せんと向かっていった。
――何年間も、ずっとあなたのことを見てきた
ヒナタに合わせてか、ネジも柔拳に剛拳を交えて攻撃してくる。日頃から剛拳使いのリーやガイといるために、ネジの剛拳もかなり鍛えられていた。男と女では、男の方の腕力が圧倒的に強い。チャクラを纏ったネジの柔拳と剛拳に、ヒナタのチャクラを纏わない柔拳と剛拳。加えてネジは無傷であり、ヒナタはかなりのダメージを負っている。ヒナタのほうがネジよりもずっと分が悪かったけれど、ここで諦めるわけにはいかなかった。
――なんでかな。なんでかわからないけど、ナルト君を見てると
掌を放ち、足払いをかけ、蹴りを飛ばし。それでもネジはそれを一つ一つかわしたり受け止めたりし、反撃してくる。体の内側からの痛みは強く、じわじわと自分を蝕んできていた。
――勇気がわいてくる。私でも、頑張ればできそうな気がしてくる。自分にも価値があるんだと、そう思えてくる……!
しかし、現実は無情だ。ネジは、勇気が湧いただけで勝てるような人間ではなかった。
「はああッ!」
一層激しく、攻撃。ネジがそれをかわし、思わずつんのめったヒナタの点穴を再び貫いた後にその顎の下に柔拳を打ち込む。なんとか倒れずに踏みとどまったものの、彼女は前に増して激しく喀血を始めた。それでもヒナタはネジに向かっていく。絶対に諦めないと心に誓って。
――ナルトくん。今までは、ずっと私が見てるだけだった
でも、今やっと。
――やっと私は
掌をネジに向ける。渾身の一撃を叩き込むべく、走る。
――ナルト君ッ!!
だがしかし、ネジのチャクラを纏った鋭い一撃は、容赦なくヒナタを貫いた。一瞬の静寂、そしてヒナタが大量に吐血して倒れる。貴女もわからない人だ、とネジは倒れたヒナタを見下ろしながらいった。
「最初から貴女の攻撃なんて効いていない」
最初にネジに点穴を攻撃されていたチャクラを放出できないはずのヒナタが柔拳を使ったってなんの効果も齎さない。そうでありながら盲目に攻撃を続けたのは愚かとしかいえないだろう。
「終わりだ」
ネジは静かに宣言し、そして倒れたヒナタから離れていった。心臓を狙った決定打。かなり重い一撃だったはずであり、このまま試合を続けていくのは困難だろう。ハヤテは数歩ヒナタに近寄って、言った。
「これ以上の試合は不可能とみなし……」
「とめるなッ!!」
そんなハヤテの声を遮ったのは、ナルトだった。ハヤテがヒナタに視線を向けると、心臓に柔拳を受けても尚、ヒナタは立ち上がろうとしていたの
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