アイングラッド編
SAO編
《圏内事件》5
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たが。
「そんなわけで、ご面倒をおかけしますが、団長のお知恵を拝借できればと……」
「ふむ……では、まず2人の意見を聞こうじゃないか。君達は、今回の《圏内殺人》の手口をどう考えているのかな?」
「まあ、大まかには三通りだよな。1つは正当な圏内での決闘、2つ目は既知の手段を組み合わせによるシステム上の抜け道、3つ目は……スキルかアイテムによるアンチクリミナルコードの無効化……」
「……俺も大体同じだが、2つ目以外には賛同しかねる」
「3つ目の可能性は除外してよい」
その言葉にキリトとアスナは驚いた様子でヒースクリフを見る。
「……断言しますね、団長」
「2人とも考えてみろ。もし、お前達がこのゲームの開発者なら、そんものをつくるか?」
「そのとおり。このゲームは基本的にフェアネスを貫いている。そもそも、本来ならばそんなものでPKをしたところで大した意味を為さない」
「そうだな……まあ、たった一つあんたの《ユニークスキル》を除いては、な」
キリトが笑みとともに付け加えると、ヒースクリフは俺達に同種の笑みを返して来た。
まるで、「君達もだろう?」とでも言うように…。
少々驚いたが、俺はポーカーフェイスを作ることに成功し、キリトも何とか表情の維持は出来たようだ。
俺のアレはすでにオラトリオ・オーケストラの連中や何人かのプレイヤーに露見しているが、使用条件が半端なく悪く、使いこなすのは無理だと情報屋も無用な混乱を避けるために情報を規制している。
一方、キリトのアレはやつの執念で必死に隠しているものだ。俺も「相談が有るんだが……」のメッセージで聞かされた時には驚いたものだ。おそらく、それを知っているのはアインクラッド中で俺だけだろうと思っていたのだが……
(他人のステータスは見えないし、キリトはヒースクリフに間違っても見せないだろうから、気のせいか……いや、もしかしたら可能なのか)
謎のニヤニヤ笑いの応酬を続ける俺達とヒースクリフを順に見やって、アスナがため息混じりに言葉を挟んだ。
「どっちにせよ、今の段階で3つ目の可能性を云々するのは不毛だわ。確認のしようがないもの。レイ君、何故仮説その1に賛同できないのかしら?」
「簡単だ。あの重装備の戦士に決してレア物でない短槍で装備を貫通させることは出来ない」
「それがメインアームの人ならどうなの?」
「その可能性は既に検証した。オラトリオの短槍スキルをマスターしているやつに最前線で一番高級な壁戦士用のプレートメイルを単槍使いの平均交戦距離から貫かせようとしたら無理だった。」
「いつの間に…」
「昨日、ふと思いついてな。で、どうしたものかと考えたんだが、ある距離からなら高確率で貫けることが判明した。」
そこで一度言葉を切り、お冷や
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