暁 〜小説投稿サイト〜
戦火に捧げるレクイエム
僕がここにいる理由
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森の中の木にもたれかかり、ここに来た理由を僕は考えていた。

おかしな事の始まりはあの夢……女性が死ぬ直前に友達に会いたいと願った夢。

あの夢をなぜ僕が見たのか、それが不思議でたまらなかった。理由は僕とあの女性の接点が全く持って感じられなかったからだ。

どこかで会ったわけでもない。さらにいえばあんな戦いが行われていた時代に僕が関係しているとは全く思えなかったからだ。

「ふぅ……」

自分の足元に視線を落とす。考えても考えても、理由はわからない。逆に考えるほどわけがわからなくなりそうだ……。

僕はどうすればいいのか……どう動けばいいのか……。

下ろしていた視線を上げ、雲ひとつない空を見ながら僕は考え続けていた。

**

「んっ……」

どうやら寝てたみたいだ……空は夕日で姿を変え、その色をオレンジ色で染めていた。

「そろそろ戻らないと……」

立ち上がり戻ろうとした時。

「澪様!」

「はい?」

ノエルさんがこっちに向かって走ってきていた。なにやら焦ってるように見えるけど……

「すずか様とアリサ様を見ませんでしたか!?」

「えっと……見てないですけど?」

「そう……ですか」

まるで苦虫をかみつぶしたようか顔をしていた。

「どうかしたんですか?」

「実は……お二人が誘拐されてしまったんです」

「なっ!?」

なんでそんなことが……お金持ちだから…なのか……わからないけど、とにかく今は

「どこにいるかはわかってるんですか?」

「はい、捕まっている場所はわかっています」

「ならすぐにっ!」

行きましょう、と言おうとした瞬間。まるで僕がいうことがわかっていたかのように、ノエルさんはこう言った。

「澪様はここでお待ちになっていてください。お二人は私が助けに行きます」

「なっ!?一人でなんて危ないですよ!」

「大丈夫です、助っ人は頼んでいますから……それに、貴方を連れていっても、きっと……貴方が危険にさらされるだけですから」

「っ!?」

遠まわしな言葉……その言葉は確実に僕を戦力外だと語っていた。

「それでは……」

ノエルさんがその場を離れる……。

僕はその場で仰向けになって倒れ、考えていた。

ノエルさんの言葉で思い出されたこと……自分の無能さ。ここに来る前の弱くて情けない自分のこと。

ふと、あの強盗の時の自分を出せればどうにかなるかもしれないと思ったが……どうすればなれるのかも、今の僕にはわからなかった。

「いっそのこと……全部夢ならいいのに……」

こんな思いをす
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