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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第26話(最終話) 『これからの二人は』
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きこもり続けた。
今日が土曜日で幸いだった。こんな精神状態で、学校なんてまるで行ける気がしなかった。
朝も昼も食事をとらずに閉じこもる雪姫を、母親が心配して度々様子を伺いにきたけれど、
何も話すことは出来ずに、ただただベッドの上で座り込み続けていた。
……そしてまた、ドアがノックされて。音の違和感に顔を上げた。
母のものとは違う、遠慮のない大きな叩き方を不審に思った瞬間、
「やほー、雪姫ー? なんか落ち込んでるんだってー?」
カリナが、ズカズカと部屋に入り込んできた。
呆気にとられている内に、
「や〜、なんか雪姫のお母さんから連絡あってさ〜?
なんか雪姫がずっとメソメソしてるって言うから来てみたんだけど」
こちらが尋ねもしない内にそんな事を口にしながら、
ベッドの上にまであがってきて、雪姫の正面で胡座をかくと
「んで? 一体どうしちゃったの」
カリナらしい、あっけらかんとした態度。
……それでも、ちゃんとこちらを心配してくれている事はわかった。
珍しく眉はひそめられているし、そもそも心配してくれてなければ、わざわざ家にまでなんて来てはくれないだろう。
けれど、それがわかっていても、素直に話す気にはなれなくて。
一度は上げた顔を、抱えた膝の上に乗せていたくまモンへと再び落としたが、
「やっぱり、あの計佑ってぼうやのコト?」
ズバリ切り込まれて。思わず、また顔を上げていた。
そうして、驚きのあまり、無言のまま目を見開いていたのだけれど、
「いや、アタシは確かにバカで脳天気だけどさ。流石にそれくらいは想像出来るって」
たはは、といった顔で笑うカリナに、くしゃり、と雪姫の顔が歪んだ。
「うっ……うああ……カ、カリナぁ……っ!」
「あわわ!? ちょっ、ちょっと泣かないでよ雪姫ぃ!?
ア、アタシにゃあ、優しく慰めるとかってのは無理なんだからさあ……!!」
また悲しみがぶり返してしまった少女に、カリナが狼狽えて。
こわごわと背中を撫でてきてくれる少女へと、雪姫がしがみついて。
もう事情が知られているらしい相手には、雪姫も意地を張ろうとは思えなくなった。
──やがて少女はしゃくりあげながらも、どうにかカリナへと経緯を話し始めたのだった。
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「……へぇえ〜〜〜……アタシが知らない間に、随分色んなコトあったんだねぇ……」
雪姫からひと通りの話を聞いたカリナが、感心の声を上げた。
思えば、カリナには計佑との事は殆ど話してはいなかった。
恋愛に全く関心がなさそうな友人にはしづらい話ではあったからだけれど、
「……ごめんね、なんだか内緒に
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