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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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コピンかましたりもしたし……」

 そんな風に答えつつも、思い返してみれば確かにまくらとは随分と接し方が違った事に気付いた。
少なくとも、まくらのコトを抱っこしてやったり、髪とか褒めてやったりした覚えは全くなかった。

「……そうですね。確かにまくらとアリスでは、接し方違いましたよね……」

 腑に落ちてそんな風に呟くと、意を得たとはがりに雪姫が軽く身を乗り出してきた。

「うん。それじゃあだよ?
同じ妹って立場にいるハズなのに、向こうは優しくされて、こっちはちょっと扱いが雑──
ってなったら、面白くはないっていうまくらちゃんの気持ち、わかるよね?」
「……あ……」

 言われてみれば、当然の話。それは、不愉快になるのが当たり前な事だった。

 幼少の、まだまくらが目覚家で世話になりだして間もない頃。
 まだ半分 "客" 扱いだったまくらを、由希子は随分と可愛がってやっていて。
母の自分への態度との違いに、かなり不満を覚えていた事を思い出した。

──……そっか……そうだよ。そういう気持ち、オレだって知ってるハズなのに……

 そして、思い出した。
『最近はアリスちゃんとかばっかりじゃない……私のコト、妹としてすらほったらかすようになったクセに』
まくらがそう叫んだ日の事を。

──……そうか……あの時のアイツの怒りって、そういうコトだったんだな……

 遅すぎる理解に、気持ちが沈みかけた。……けれど、雪姫の話はまだ続いた。

「そしてね?
……まあここからは、大分わたしの想像とかになるんだけど……
合宿の頃には、計佑くん、アリスにもう全然遠慮がなくなってたよね?」
「……え? そ、そうですか?」

 自分ではやっぱりわからなかった。首を傾げていると、雪姫の目がジトっとしたものになった。

「何とぼけてるのっ? ……って計佑くんの場合、自覚はないんだっけ……はあ。
あのね、ちゃんと思い出してっ。計佑くん、最初からアリスに気安かったけど、
それでも最初の頃だったら、いくらなんでも自分の身体の上にアリスを寝かせたりはしなかったでしょう!?」
「うっ……!? そ、それは……!」

……正直、自分の場合、出会った当初でもあまり気にせずそれくらい出来たような気もした。
──が、馬鹿正直にここでそんな事を口にすれば、どうなるか──それくらいは鈍感王でも予想できた。

「そ、そうですね! 確かにそこまでは出来なかったでしょうね!!」

 冷や汗をかきながら追従に入ったが、どもった計佑に雪姫の目が更に細くなった。

「……ちょっと計佑くん……? まさか……」

 不審そうな声。……まあ当然ではあったけれど、その先を大人しく待つ訳にはいかない。慌てて、


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