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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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か」
溜息をついて、その先を呟いた。
「……薄情なヤツだよな……」
──本気で、そんな風に思っていた訳ではなかった。
いや、昨日までは確かにそんな気持ちもあったと思う。
それでも、昨夜まくらの父から話を聞いた後では……もうそんな風には思っていなかった。
けれど今、愚痴ろうとする為に口にする言葉には、
どうしてもそんな五文字の単語が含まれるのは避けられなかったのだ。
……そして、半ば覚悟していた通り、
「……薄情、ですって……!?」
硝子が一気に怒気を膨れ上がらせるのがわかった。
それでも、多分そうなるだろう事は覚悟出来ていた事もあって、ただ項垂れて硝子の罵倒を待ち受けていたら──
硝子が大きくつく溜息の声が聞こえてきた。
その溜息に乗せて怒りを吐き出しているのか、硝子の怒気がみるみる萎んでいくのを感じて。
のろのろと顔を上げると、硝子が苦い笑みを浮かべてこちらを見つめてきていた。
「……目覚くんも、随分苦しんでいるみたいだね。
わざと私を怒らせて、自分の事を叱らせようとでもしたの?」
「……そんなんじゃない。本気で、そう愚痴っただけだよ」
そう、もうどうしたらいいのかわからなくて……半ばヤケになって愚痴っただけ。
そんな、硝子の言うような気持ちなんて、決して──
「……まくらが……怒ってるっていうんなら、まだよかったんだ」
独白のように、口を開いた。
「……でも。昨日オヤジさんに話を聞いた感じじゃあ……オレのせいで、アイツはなんか苦しんでるみたいなんだ」
自分がまた何かバカな事をして、まくらを苦しめてしまっていたというのなら。
それをはっきりと叱ってくれるだろう相手は、硝子しか思い浮かばなかった
──そうだ。口にしてみて、自覚できた。
確かに自分は今、硝子に叱ってほしかったのだ。
まくらを苦しめてるなんて全然気付かずに、嫌がらせのような真似まで続けていた自分を、
罰してほしかったのだと──
「……だから、『後悔する』って言っておいたのに……」
「……え?」
硝子の呟きは、辛うじて聞き取れたのだけれど。
何の話かは咄嗟には思い出せなかったし、意味もよくわからなかった。
「ねえ、須々野さん。オレは……何を間違えたっていうの?
見送りの時、オレはちゃんと兄貴ヅラしてふるまったハズなんだよ。
合宿の時に須々野さんがくれたアドバイスも、そういうコトだったんだろ?
それが、まくらが望んでたコトで合ってたハズだよね?」
訴えるように尋ねたら、硝子が困った顔になった。
「……それは……」
そして、ため息を挟んで。
「……何もかも遅かったんだよ、目覚くんは。
どの道ムリだったかもしれな
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