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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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々に早退していった。
──まあ、硝子と二人っきりという訳でもないのだから、
計佑がしっかり相手をしてやっていればアリスは逃げ出したりはしなかった筈なのだけれど、
今日の計佑はアリスがじゃれついてきても生返事ばかりで、ろくに構ってはやらなかったのだった。
「…………」
「…………」
二人共ずっと無言のままで、
室内に響く音は掛け時計の秒針の音と、硝子がノートに走らせるシャーペンの音ばかりだ。
そんな静かな空間の中、硝子は黙々と今日出された課題を片付けていたのだけれど、突然その手を止めて。
「……目覚くん、今日は随分腑抜けちゃってるみたいだね」
顔は上げずに、ポツリと計佑に話しかけてきた。
特に何をするでもなく、ただ椅子に腰掛けてボ〜っと天井を眺めていた計佑だったが、
しばらく間を空けてからようやく、話しかけられた事に気付いた。
「……あ。ご、ごめん須々野さん。なんか言った……?」
我に返って硝子に尋ね返したが、
硝子はチラリと一度目線を上げてきただけで、またノートへと向かうとシャーペンを動かし始めた。
「……えっと……」
なんとも気まずい。
呆けていて気付かなかったが、どうやら今日の硝子は機嫌が悪いようだ。
メンバーは全然集まっていないし、自分も呆けてばかりで何の活動もしていない。
もう今日はお開きにしようかと考えた所で、
「まくらの事でも考えてた?」
「えっ!? ……い、いや、そんなコトないよ?
今日は人も来ないし、もうお開きにしようかなーって、そんな事を──」
直前の瞬間に考えていた事 "だけ" 口にして、出来るだけウソをつかずに誤魔化そうとしたのだけれど、
「ふうん。今日は一日中ずっとぼんやりしてたみたいだけど、
その間ずっと『早く家に帰りたい』なんて考えてたんだ?」
硝子には簡単に看破されている様子だった。
──……まあ、須々野さん相手に誤魔化せるワケもないか……
諦観のためいきを軽くついたところに、
「まくらに避けられてるんでしょう?」
「……っ」
直球で追い打ちをかけられた。
「す、スゴイね……相変わらず……なんでそんなコトまでわかるの?」
相変わらずの超絶的なカンの冴えに驚愕していたけれど、
「別に。これは単にまくらから聞いただけの事だよ」
「……あ。そ、そうなんだ……」
今日の硝子は、読みの鋭さだけでこちらを驚かせてきた訳ではなかったようだ。
「そっか……須々野さんとは、ちゃんと連絡とってるんだね、アイツ」
まくらが避けているのは自分だけ──わかりきってはいたけれど、改めて思い知らされる事実はやはり苦しかった。
「……なのに、オレの事はシャットアウト
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