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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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『あははははは!!! ご、ごめんなさいっ雪姫先輩……!!』
──そんな風に、また笑われたりしながら。
雪姫とまくらとの、最後の会話は終わっていったのだった。
─────────────────────────────────
──8月29日。
あっという間に迎えてしまったこの日、
まくら達の見送りに来ているのは、計佑、硝子、由希子の三人だった。
まくらは「かえってお別れがつらくなる」と、目覚家以外のメンバーは固辞しようとしていたのだが、
硝子だけは頑として聞き入れず、こうしてこの三人で見送りにやって来たのだった。
そして今ホームでは、まくらは硝子と、由希子はまくらの父と話し込んでいて。
計佑だけが一人ぽつんと、少し離れた場所で立ち尽くしていた。
硝子が時折『何してるのっ、目覚クン!!』という目で促してくるのだが、
まくらの方が、頑なにこちらを見ようとしない事もあって、なかなか動けずにいた。
けれど、やがてとうとう電車が到着する時刻になって。
ついに意を決して、まくらへと歩み寄っていく。それに硝子が、下がっていってはくれた。
……『遅いっ、遅すぎるくらいだからっ!!』という目で睨みつけてきながら、だったけれど……
──うあ〜……後で説教でもされるんだろうなぁ、これは……
また "鬼の硝子" に叱られる未来が幻視出来て、ため息が漏れそうになる。が、今は──
「……ん。これ、やるよ」
「……え……」
俯いているまくらへと、ずっと手にしていた紙袋を押し付けた。
「……なに、これ……?」
「グローブだよ。餞別にな」
「…………」
両手で抱えた紙袋をじっと見下ろすまくらへと、あえて偉そうに言葉を続けた。
「まー、バイトでちょっと潤ってたからな!! 奮発して、随分と高いヤツ買ってやったんだぞ?」
恩着せがましく、厭味ったらしく──まくらがツッコんで来やすいようにと、
ワザとそんな風な物言いをしたのだけれど、
「……そっか。ありがとね、計佑。……大事に、大事にとっておくね」
「……いや、あの。使ってくんなきゃ意味ないだろ、それ……?」
静かに微笑んだまくらにそんな風に返されて、こちらがツッコむ羽目になってしまった。
「……エへへ。計佑からの……最後のプレゼントだもの。使ったりなんて出来るワケないよ」
「……最後って……いや、お前……」
はにかんだまくらが、大事そうに紙袋を抱きしめなおしたけれど。
──最後ってなんだよ……会おうと思えば、いつだって逢えるんだぞ?
実際、冬休みにはまたこっちにだって来てくれるんだろ?
雪姫からは『冬休みに、また合宿でも──』みたいな話をしていたと聞い
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