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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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としていたら、こちらの顔をちらりと見上げてきた少年が、
意図が伝わっていないと察したのか更に言葉を足してくる。
「……だから……ですね。あの時、オレも……その、先輩の手を握りたいなぁって思ってて。
動こうかと思った瞬間、先輩の方から来てくれたから、その……ビックリもしたんですよっ」
「……はぁ。……えっと……」
計佑の言葉の意味は、それでもよくわからなかった。
タイミングが合いすぎてビックリした……それならまだわかる。
そのせいで、反射的に逃げてしまっただけ──というならわからないでもないけれど、
『恥ずかしい』という事情もあったらしいのが、よくわからなかった。
──えっと……計佑くんも、私の手を握りたいって思っててくれて……?
今日の自分は、昨夜の夢を否定する為に手を伸ばしていたけれど。
本来なら、昨夜のように──映画の内容に感化されて、手を計佑へと重ねていた筈だ。
では、同じタイミングで動こうとしていたという計佑も、
やはり同じような気持ちでいてくれたという事なのだろうか……?
──……んん……? でもそう言えば、計佑くんが私の手を握ってくれるのは……
自分が求めた時か、弱っているかの時ばかりだった。
それが、今日は違ったという事で……昨夜の自分同様の気持ちだったというのならば、
──それはつまり、計佑くんが……初めて、私の事を求めるような気持ちで手を握ろうとしてくれていたって事……!?
以前、彼が突然頭を撫でてきた時の事は未だによくわからないけれど、
今日の計佑の気持ちは、はっきりと理解できて。一気に嬉しさが溢れてきた。
そして、
「ぷっ……! ふふっ、あはははははっ!! け、計佑くんって……計佑くんってホントに……」
少年が『恥ずかしい』と言う理由──
"ある意味、初めて" 手を握ろうとする行為で、一杯一杯だったという──
も理解できた気がして、笑いもこみ上げてきてしまった。
「い、今さら……! 今さら、まだそんなコトが恥ずかしいの……!?
け、計佑くんらしいと言えばらしいけど、……ていうか、らしすぎる気もするけど……っ!」
事故も含めれば、もう随分と色々な接触を重ねてきているのに。
未だに手を握る程度の話で、顔を真っ赤にしている少年が堪らなく可愛かった。
そうして、雪姫が身体を折り曲げて笑い続けている間、
少年のほうは『やっぱり笑われる羽目になった……!』と不貞腐れたように口をへの字にしていたけれど。
ようやく雪姫に笑顔が戻った事に、内心安堵も覚えていて。その目元には笑みが浮かんでいた。
──そんな風に、二人が和んでいた所で、
「……あの。もう掃除したいんですけど……」
突然後ろから声をかけられ
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