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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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いとヤだよ……?」
また不安そうな顔に戻った雪姫が、至近距離からこちらの顔を覗きこんできていた。
「わっ!?」
我に返って、恥ずかしさに慌てて仰け反る。
──が、雪姫にしっかりと両手を握られていたせいで、大した距離はとれなかった。
「……それで? どうしてあの時、私の手から逃げたのか聞いてないよ……?」
そして瞳を潤ませたまま、雪姫が心細そうに尋ねてくる。
……その姿は、奥手少年であっても思わず抱きしめたくなるだろう程の可愛さだったのだけれど、
──えええ……!? あ、あれを話せっていうのか……!!
あの時の "下心" を話せと迫られて、
焦りからヒクヒクと頬をひきつらせる少年には、そんな感情を抱く余裕はないのだった。
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夢の事を口にしたら、突然計佑の目から光が消えた気がして。
手を握り合っているのに、なんだか計佑が遠くに行ってしまったような気もして。
慌てて縋り付いたら、すぐに計佑は意識をこちらに戻してくれたけれど、それでもまだ安心しきれなかった。
──映画中に手を避けられてしまった一件が、まだ片付いていなかったからだ。
今となっては、昨夜のような──気持ちに応えられないから、という──
理由からではないだろうとは思うのだけどれど、それでも。
たった今、計佑の意識がどこかへ行きかけたのを目にしただけで、
弱々しい少女はまた不安がぶり返していたのだった。
改めて尋ねると、少年は頬を引き攣らせて。
『話したくないなぁ……!』
その顔は、そんなセリフを声高に伝えてきていたけれど。
それでも雪姫が、しっかりと手を握ったまま、
未だ涙が残っているだろう瞳でじぃっと見つめ続けていると、やがて少年はプイっと雪姫から顔を逸らして、
「……かしかったからです」
言い捨てるように答えてくれたが、早口なせいで聞き取れなかった。
「え……? 聞こえなかったよ、計佑くん……?」
"もう一度言って" という意味を込めた、質問という形のお願いに、少年の横顔がカッと赤くなった。
最近は雪姫の専売特許になりつつあった、「う〜〜……っ」という唸り声を少年があげて。
歯を食いしばって、しばらく逡巡していた様子だったけれど、ついに観念したのか顔をこちらに戻してくると、
「……恥ずかしかったんです」
俯きながらだが、今度はちゃんと聞き取れるように、ゆっくりと口にしてくれた。……けれど、
「……え? ……恥ずかしい?」
雪姫には意味がわからない答えだった。
──え? え? だって……今さら? もう手を握るくらい、いくらでもやってきて……?
ぽかん
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