暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第24話-2 『美月芳夏』
[2/18]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
計佑に甘い言葉をかけてもらえた後なら、いくらかはアリスの事にも耐えられたのだから。
……まあ、最終的にはやっぱり余裕がなくなるのだけれど……
──と、ともかく! アリスに少しでも負けないように、今は計佑くんと!!
足音をなるべく立てないように──万一、
誰かが起きたりしたら台無しになってしまうかもしれない──静かに歩いて。
出入り口にたどり着いて、振り返って。みんながちゃんと眠り続けている事に安堵して。
顔を前に戻した時に、ちょうど一人の少女がうっすらと目を覚ましたのだけれど、
そんな事に気付く筈もなく外に出て──
──……あれ?
自販機の前に、計佑の姿はなかった。辺りを見回してみても、やはり見つからない。
──……コンビニまで足を伸ばした、とか? それとも、やっぱり散歩とかかな……?
せっかくのチャンスだ、計佑とは絶対に話したい。ならば追いかけないといけないのだけれど──
──……う……や、やっぱり怖い……!
計佑を見つけるまでは、一人きりで夜空の下を歩きまわる事になってしまう。
学校といえば、怪談の宝庫。
校舎内に比べれば全然マシだが、極度の怖がりには、敷地内でも夜間とあってはハードルが高かった。
逡巡して、
──こ、ここで待ってれば、その内計佑くん戻ってくるんだし。それからでも……
臆病少女がそんな逃げ腰の考えに縋りかけて、
ゾクッ……!!
突然、背筋に悪寒が走った。
何の根拠もない、どうしてそんな考えが浮かんだのかもさっぱりわからない。
けれど、急に今、計佑がどこか遠くへ──それも手の届かない程の──行ってしまうような、そんな気がした。
その瞬間、一気に駆け出す。
夜道への恐怖など、それより遥かに大きい恐怖の前に、完全に吹き飛んでいた。
─────────────────────────────────
ホタルに連れられて行く計佑は、
「……な、なあホタル、別に逃げやしないから手は離してくれないか?」
ずっと手を握ってきたままの相手にそんな声をかけた。
幼女の頃だったら気にならなかった接触も、
自分よりも歳上に見える程に成長? されては、流石に気恥ずかしかった。
そんな計佑の訴えに振り返ってきたホタルだったが、その視線は計佑を通りすぎて、どこか遠くを向いていた。
「……なんだ? 何かあるのか?」
気になってそちらを振り返ったが、見えるのは体育館の屋根くらいで、特に気になる物は見当たらなかった。
「さっきの接触で眠りが浅くなっていた……? ふん、それにしても意外と勘のいい……」
そんな呟きに向き直ると、ホタルが眉をひそめて、舌打ちでもしそうな顔をしていた。
「
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ