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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第24話-1 『合宿二日目・まくらの怒り。雪姫たちの喜劇。「妹扱いくらい、続けてよ……」』
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<24話-1>
合宿二日目の朝。
起床した計佑が寝泊まりに利用している体育館を出て、顔を洗いに行こうと廊下を歩いていると──
「もおおお! 絶対許しませんからねっ、アリス!!」
「あははは! 捕まえられたら、忘れてあげてもいーよ、おねえちゃんっ!!」
雪姫とアリスがぎゃあぎゃあと騒ぎながら、向こうから走ってくる姿が目に入った。
──……えぇー……こんな早くから一体なにやって……
寝起きのローテンションな状態で出くわしたいきなりの騒動に、呆れを覚えてしまう。
昨夜は、随分と雪姫 (と結果的に計佑も) を振り回してみせたアリスの言動。
今日も、その勢いのまま絶好調のようだった。
「おっけーすけ、おはよヴぐっ……!」
軽く挨拶しながら計佑の横を駆け抜けようとしていたアリスだったが、
計佑に首根っこを掴まれ、声を詰まらせながら急停止する事になった。
「……はぁっ、はぁっ、はあ……あ、ありがとう計佑くんっ、捕まえてくれて……」
追いついてきた雪姫が、膝に手をつきながら礼を言ってくる。
計佑はそんな雪姫に一言朝の挨拶をしてから、襟を掴みあげたままアリスの顔を覗き込んだ。
「朝っぱらから騒ぎやがって……一体先輩に何やらかしたんだ?」
雪姫が血相を変えて追いかけ回すぐらいだ、相当なイタズラだろう──そんな風に考えている少年。
雪姫が余裕をなくすのは、大抵の場合計佑関連でしかないのだけれど、そういったところまでは相変わらず気づかない。
そんな少年の顔を見上げた後、雪姫に視線をやったアリスがニマっとした笑みを浮かべる。
「けーすけに話すつもりはなかったんだけどなぁ……こうして聞かれてるくらいだし、話しちゃってもいーい?」
「ばっ馬鹿言わないで!? 絶対ダメよっ!!」
慌てた雪姫が、アリスの口を塞ごうと手を伸ばしたが、
アリスはニヤニヤとした笑みのまま両手を持ち上げると──雪姫の顔の前でワキワキとさせてみせた。
「──っ!」
瞬間、声なき悲鳴を上げて、ビクッと飛び退いてしまう雪姫。
そのまま自分の両肩を抱いて、プルプル震え始めてしまう。
「ふっふっふ……おねえちゃん、また私とくすぐり合戦にチャレンジしてみる?」
「ひっ、卑怯者っ……! 私が勝てない事知っててぇ!」
勝ち誇るお子様に、悔しそうにしながらも震えて距離をとってしまう、高校3年生。
そんな弱々少女に、外見は小児の悪魔が更に嗜虐的な笑みを深める。
「じゃーどーするの、おねえちゃん。私のこと、叩いたりしてみる?
……優しーおねえちゃんじゃあ、そんなコトできないでしょお?
つまり、もうおねえちゃんはどうやったって私には勝てないんだよぉ?」
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