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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第24話-1 『合宿二日目・まくらの怒り。雪姫たちの喜劇。「妹扱いくらい、続けてよ……」』
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偉そうに説教とか、ホント何様だって話なんだけどなぁ」

──それでもまあ、アリスにとって悪くない結果に導けたんなら上出来だよな。

 そんな達成感で軽く高揚した気持ちのまま、首を巡らせて──まくらが立ち尽くしている姿に気付いた。

「……っ!」

 高揚していた気分は、一瞬にして緊張にとって変わった。
曲がり角の位置で立ち尽くしたままのまくらの細かい表情まではわからなかったけれど、

──俺の事、見えてるクセにこっちに来ないってコトは……昨日の事が、まだ尾を引いているのか……

 早朝の内に『話があるから、校門で待つ』とまくらにメールしたところ、
大体の到着時刻を返信してきたくらいだから、決して機嫌は最悪ではないだろうと思っていたのだけれど。
 そんな考えは甘かったかと、身を引き締めた。
やがて、まくらがこちらへと歩きはじめて。その足取りが重いのを見て取って、

──一晩経てば、大抵の場合機嫌治ってるのにな……やっぱ今回のはそれくらいのコトだったんだよな……

 改めて申し訳なくなる。

 まくらの足取りは、曲がり角を曲がってくるまでは普通で、まくらが立ち止まったのも
計佑がアリスの頭をかき回し始めてからの事だったのだけれど、そんな事を知る由もない少年。

 そして、ついにまくらが計佑の目の前にまでやってきて。その足を止めた。

「……おす」
「……おはよう」

 計佑の挨拶に、一応は返してくれた。……俯いたままで。
一瞬怯みそうになったけれど、引き伸ばしても仕方がないと、思い切って頭を下げた。

「ごめんっ、まくら! 昨日は……すげーヒドイ態度とっちゃって」
「…………」

 今度は返事がなかった。それでも、頭を下げたまま弁解を始める。

「別に、無視するとかそういうつもりじゃなかったんだ。
いやっ、結果的にはそうなっちゃったんだけど、その……めちゃくちゃ情けない話なんだけどっ、お前が──」
「──完全試合なんかやっちゃったから、引け目を感じちゃった?」
「っ……」

 先回りされて、思わず頭を上げた。
まくらも、俯いていた顔をもう上げていて、計佑の顔を静かに見つめてきていた。

「……そっか、バレバレだったか。ホント、情けないよなオレ」

 恥ずかしさに苦笑すると、まくらが首を横にふった。

「別に、すぐに気付いた訳じゃないよ。あの時には凄いショックだったし、
しばらくは何も考えられなくて……計佑からのごめんメールが来て、
それでやっとモノを考えられるようになって……それで、そういう事なんじゃないかなって気づいたんだ」
「……そっか……ホントにごめん」

 もう一度まくらに頭を下げて。そして硝子にもまた改めて感謝した。

──須々野さんが
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