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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第24話-1 『合宿二日目・まくらの怒り。雪姫たちの喜劇。「妹扱いくらい、続けてよ……」』
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してくれた。
茂武市も細かい事は気にしなかったのだけれど、アリスだけがちょっと膨れて見せていた。

 また計佑の膝の上にでも座って、雪姫を挑発でもするつもりだったのか──
早朝の一件の後には、一応ちゃんと反省をしていた筈なのだけれど、もうすっかり忘れている様子のお子様だった。

 そんな四人を置いて校門までやって来た計佑は、直に到着する筈のまくらを待っていたのだけれど──

「けーすけーーーっ!!」

 大声で名前を呼ばれて振り返ると、校舎の方からアリスが全力疾走してきていた。
 その勢いのまま、『たあっ!』と飛び上がりながらのタックルを仕掛けてくるちびっこ中学生を、
ひょいと横にずれて躱す計佑。
 回避されてしまい『ええっ!?』と空中で目を見開くアリスだったが、
計佑は横からアリスの身体を捕まえると、突進による運動エネルギーをくるくると回転して消費してみせた。
「おっ!? おお〜……あははは! これは面白いぞっ、けーすけ!」

 やがて回転が止まり、地面に下ろされたアリスが満面の笑みで見上げてくるが、
計佑のほうは仏頂面でそれを見下ろした。

「一体何の用だよアリス……あのDVDは、
本来は何も知らないお前とかの為に用意したんだから、ちゃんと見てくれないとだな……」

 そんな風に諭したが、本命の理由は別にあった。
 自分はこれから、まくらに昨日の事を謝らなければいけないのだ。
それなのに第三者、それも昨日の一件を何も知らない人間がいては、そんな話はしづらくなってしまう。
 そういう訳で、早くアリスを追い返したいところだったのだが、

「用、か? ……う〜ん、確かに今オマエに絡んでも、
おねえちゃんがいないからあんまり面白いことにはならないんだけど、さ〜……」

 軽く俯いて、そんな風に呟くアリス。それに、少年がため息をついた。

「お前な〜……一体どうしちゃったんだよ。
あんなにお姉ちゃんお姉ちゃん言ってたクセに、なんでいきなりそんなに態度が変わっちまったんだ?」

 雪姫によれば、自分のせいでアリスがこうなってしまったそうだけれど……
本当のところは、未だ分からないままだ。
 雪姫に聞いても結局は教えてくれなかったし、ならばアリスに聞いてみるしか無かった訳だが、

「えー、だってー。おねえちゃん、
からかうとすっごい面白くてカワイイって解っちゃってさ〜。つまりこれも愛情表現だよ!!」
 
 雪姫が聞いたら『そんな愛はいりません!』とまたカッカしそうな答えを、ニコニコしながら返すアリス。
けれどその答えは、一応少年を安心させるものではあった。

──そっか、まあそんな事ないとは思ってたけど、やっぱり先輩の事キライになったとかじゃないんだよな。

 じゃれ
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