暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第24話-1 『合宿二日目・まくらの怒り。雪姫たちの喜劇。「妹扱いくらい、続けてよ……」』
[20/20]
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
ついにはお腹を抱えて、足までバタつかせながらアリスが笑い始めた。
やがて、事態を理解した雪姫が、
「よ……よかった……!!」
心底ホッとした笑顔で天を仰いで、
「こっこのクソガキ……! なんってタチの悪いコトを!!」
怒りに燃える計佑がアリスに馬乗りになると、ウメボシを仕掛けた。
「いたたたた!! ああっホントに痛いイタい痛い!!
ごっごめんなさいごめんなさい! からかった風なのもウソです!
ホントは、おねえちゃんがあんまり焦るもんだから、
『やっぱりいつもの冗談だよ』ってしといた方がいいと思って!!」
痛みに悶えるアリスがそんな懺悔をしてきて、
それを聞かされた雪姫は「えええ!?」とまた余裕をなくす。
「そっそれどういうコト!? えっとつまり、結局やっぱり、あ、あなた計佑くんのコトを……!?」
慌てる雪姫が起き上がって、アリスの顔を覗きこむ。と──
「……なんちゃって♪」
またもアリスがニンマリとしてみせて。
──三人による喜劇は、まだまだ終わらないようだった。
─────────────────────────────────
そんな大騒ぎを続ける三人から、かなり離れた場所にいるまくら達三人。
けれど、ギャンギャンと大騒ぎをされていれば、ある程度は声も届いてしまう。
そして、この三人では一番計佑達に近いまくらは、
もう空など一切眺めずに、横を向いたまま計佑たちの方だけを見続けていた。
「……ねえ、あの三人って昨日もあんな感じだったの?」
ぽつりと、まくらがそんな質問を口にして、
「そ──」
「あー、昨日はあそこまでやかましくはなかったけどねー。
いやでもっ、実際は昨日も相当いちゃついてやがったんだけど! 聞いてよ、オレがたまたま近く──っ!」
反対側の端にいた硝子が答えようとした所に、真ん中の茂武市が先んじて答えてしまった。
……それでも、途中で硝子に脇腹をつねられて、中断させられていたけれど。
「す、須々野さん何……っ!?」
まくらの後頭部から硝子へと振り返るべく、
首を180度回転させた少年は、眼鏡少女の眼力に沈黙させられた。
「……ふーん……そっか……」
そして、またぽつりと──感情の抜けたような声で、まくらがつぶやいて。
……それっきり、まくらは完全に沈黙してしまうのだった。
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ