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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第24話-1 『合宿二日目・まくらの怒り。雪姫たちの喜劇。「妹扱いくらい、続けてよ……」』
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て少年は、
もう大丈夫だと何やら確信したのか──ある瞬間から、全く雪姫の事を気にかけなくなった。

──ん、んん……?

 それに気付いた瞬間、雪姫の中からザックリと余裕が削り取られていった。

──計佑くん、そ、それはやっぱりヒドイんじゃないかな……?

 ついさっきまでの反省や申し訳なさはもう萎んでいってしまい。
代わりにとばかり、じわりと不満が鎌首をもたげた。

──私が、すごく焼きもち妬きってコトはもう十分わかってるよね?
  なのに、私のコト無視してアリスばっかり構っちゃうんだ……?

 口にこそ出さないが、そんな不満が心の中で膨らんでいく。

──確かに、自由にアリスに構ってあげてとは言ったけど……
  そこまで真に受けなくてもいいんじゃない!?
  普通、ちょっとくらいは遠慮してくれるものだと思うよっ!!

……この少年が、そういった類の配慮などしてくれる筈がない事は分かりきった事だったけれど、
それでもやっぱり納得いかない少女。
 そんな、じりじりとストレスを高めていく少女を他所に、アリスが計佑に話しかける。

「ねえけーすけ、私さっき……久しぶりに、パパと電話で話せたんだよ?」
「おっ、そうなのかっ? ……よくやったなっ、アリス!」

 はにかむアリスと、自分の事のように喜ぶ計佑。

……しかし、それを傍らで聞かされた雪姫だけが笑顔とはいかなかった。

──なっ、なにそれ!? 私そんなの初耳なんだけどっ!?

 アリスと叔父の、ちょっとこじれてしまっていた関係は、親戚である自分にとっても無関係ではないのに。
なのに、そんな大事な話を、自分より先に計佑へと話すなんて。
 なんだかんだ言っても、自分に一番懐いてくれていると思っていた少女の裏切りに唖然としてしまう。

「けーすけのお陰だよ、ありがとね……」

 そして、相変わらず恥ずかしそうに、
けれどしっかりと計佑の目を見つめて礼を言うアリスの横顔に、ふと違和感を感じた。
 考えて、すぐに理由に気付く。

──……そういえば、アリスが全然私のコト見てこない……

 今朝までは、しつこいくらいに挑発を重ねてきては、面白がっていた筈のアリス。
けれど気がつけば、アリスのそういった振る舞いが完全に鳴りを潜めていた。

──今朝、計佑くんにケガさせそうになったコトはアリスもホントに反省してたから、
  それで……って考えれば、別に不自然じゃない……んだけど……

 雪姫の事など完全に空気扱いで、
幸せそうに笑いながら少年にじゃれついているアリスの姿に、心がザワつきだす。

 アリスに対しては、焦りや怒りばかりだった筈の嫉妬、
それには殆ど含まれていなかった筈の不安な気持ちが──ついに芽生
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