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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第24話-1 『合宿二日目・まくらの怒り。雪姫たちの喜劇。「妹扱いくらい、続けてよ……」』
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でも! それじゃあ絶対に明日……必ずちゃんとまくらと話してね!? でないと、まくらはもう……」

 けれど、最後にはまた必死に訴えてくる硝子に、

「うん、必ず」

 そう、微笑を浮かべて約束した。


──けれど、その約束は果たされなかった。

 決して、少年は硝子の訴えを、まくらの気持ちを軽んじた訳ではなかった。
しかし、この次の日の少年には、落ち着いて話をする余裕などなかったのだ。
この日の深夜に起きる出来事は、少年にそれ程の衝撃を与えるもので……無理もない事だった。

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 この日の夜も昨夜同様、屋上での活動だった。
そして、一人増えただけの事だから班分けも昨夜同様、二手に別れる事になる。
 まず、まくらと硝子は一緒になる事を希望して。
すると、今はまくらと気まずい計佑は必然的にもう一人の枠から外れる事になり、
茂武市がそこに入るとなると、結局昨夜と組み合わせがほぼ変わらない事になってしまう。
 となれば、雪姫かアリスがそこに入るのが理想だったのだけれど、
アリスは「絶対にけーすけと一緒がいい!」と声を上げ、
そうなると雪姫も、はっきりと口にこそしなかったが明らかにそわそわし始めて。
「はいはい、じゃー先輩は、今日もそっちにどーぞ」
苦笑する茂武市がそう締めて、結局昨夜とほぼ同じ形になるのだった。

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 また昨夜と同じ組み合わせになってしまった計佑たち三人。
そして、三人の位置関係も、またまた同じだった。

……そう、アリスが計佑の上にうつ伏せで寝転がっているところまで、全く。

「せ、先輩、あの……」
「ん? どうしたの計佑くんっ?  そんな心配そうな顔しなくたって、今日は大丈夫だよっ?」

 昨夜の惨劇(?)を忘れられる筈もない計佑が恐る恐る伺えば、雪姫はしっかりと笑顔で応えてくれた。

……不自然なほどの、満面の笑みで。

──ホ、ホントに大丈夫なのか、これ……?

 鈍感王子とて、昨日と全く同じ流れを辿っていれば、流石に危険性は理解出来る。
ならば、さっさとアリスを下ろすなりしてしまえば済む話なのだけれど──

「な、なあアリス? お前もうずっとオレの上でうつ伏せのままだろ。いい加減降りて、ちゃんと星観ないか?」
「やっ、もうちょっとだけ……お願い、いいでしょ?」

 切なそうな顔で懇願されてしまって、それ以上は言えなくなってしまう。
 校門での一件の後、なんだか妙にしおらしくなってしまったアリスに
どうにも調子が狂ってしまって、いつものように強く出れないでいたのだった。

──う、うぅ〜ん……これが、ま
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