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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第24話-1 『合宿二日目・まくらの怒り。雪姫たちの喜劇。「妹扱いくらい、続けてよ……」』
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 勝ち誇る小悪魔に、愕然とする雪姫。……けれどそこで、

『ビシッ!』
「いたっ!? なっ、なにすんだよっけーすけ」

 アリスは計佑からデコピンをもらってしまった。

「なにすんだよ、じゃねーだろ。先輩に出来ないならオレが代わりに叩いてやるよ。
悪さしといて、謝るどころか脅迫するなんて……オレは躾に躊躇なんてしないからな」
「うっ……」
「け、計佑くんっ……!」

 計佑に冷たい目で睨まれて、流石にアリスが言葉に詰まり、そして雪姫はパァっと顔を輝かせる。

……がしかし、この時の計佑は一方的に雪姫の味方という訳でもなかった。

「先輩も、もうちょっと落ち着いてください。
先輩がしっかりしていれば、子供にからかわれるなんて事にはならないハズでしょ?」

 そんな風に諭され、てっきり全面的に庇ってくれるとばかり思って浮かれていた少女は、表情を一変させて。

「そっ……! それを計佑くんが言うの!? だって、アリスがこんな風になっちゃったのは計佑くんのせいなのにっ……」

 駄々っ子がそんな風に言い訳したが、寝起きのせいでちょっぴり機嫌が悪い少年は、珍しく怯まない。

「そういや、昨夜もなんかそんなコト言ってましたけど……
じゃあなんでオレのせいなのか、ちゃんと説明してくださいよ?」
「……えっ? ……あ、えと。それは、その……」

 説明を求められると途端に萎んでしまい、雪姫は頬を染めながらもじもじとしてしまう。
雪姫としても、本当は責任転嫁というか、殆ど言いがかりだと言うことは自覚しているのだ。
 それに、あの日──アリスにからかわれ始めた──の会話を明かすということは、
お説教という名の嘘を被せて、アリスの行動を制限しようとしたりした恥ずかしい嫉妬の色々、
それも10年後の未来にすら妬きまくっていた事まで知られてしまう訳で──そんな事を、言えるはずもなく。

「……うう〜……」

 少年に半眼で見下ろされて、結局唸るだけになってしまう雪姫。しかしそこで、目をキラリと輝かせる子供がいた。

「……わかったよ、けーすけ……ごめんなさい、おねえちゃん。なんか調子に乗りすぎてしまいました」

 一瞬で怪しい目の光を消したアリスが、しおらしい顔を作ってそんな風に頭を下げた。

「わかればいーけど。朝っぱらから騒ぐのは流石に勘弁してくれよな……」

 そんな風にぼやきながら、計佑がアリスの襟を離す。途端、アリスが身を翻して計佑に抱きついてみせた。
 雪姫が『あっ!?』という形に口を開いたが、アリスはお構いなしに

「わかったわかったー! でも、けーすけってスゴイよな〜。歳上の相手でも窘められるんだもんな〜?
上辺だけ大人のフリしてるような誰かさんと違って、根っこ
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