第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
リー
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!」
「へんっ……こいつにゃあ負けねえ、そうだろ、赤丸っ!」
構えを取ったリーに、キバは赤丸と顔を見合わせ、ニヤリと微笑みあう。主人たるマナが治療を受けている今、紅丸はハッカの肩の上に座っている。
「では、はじめてください」
「行っくぜぇ、擬獣忍法、四脚の術ッ!」
「――速いっ!」
最初に動き出したのはキバだった。チャクラが彼の体を骨格から変えていき、四つ足で動き回るのに丁度いいような体形にかえてゆく。騎虎の勢で飛び出していったキバの攻撃の素早さにサクラが瞠目する。
ただしリーも伊達に一年間体術の修行を積んでいたわけではない。鍛えられてきた動体視力は素早いキバの動きもしかと目に捉え、リーはその軌道を読み、攻撃を回避するのと共に、生き馬の目を抜くが如し早業でキバに蹴りと拳とを叩き込んだ。
「ぐっ……! 流石一期上の先輩は違うなァ……!!」
「まだまだ! これくらいじゃ終わりませんよッッ!」
「それはこっちの台詞だ! 通牙!」
体を猛回転させながら向かってくるキバの攻撃に、リーは警戒の色を示した後、飛び上がってそれを避けた。床に亀裂が走り、床の破片が飛び散る。素早く方向転換したキバは空中で身動きの取れないリーに通牙を食らわし、彼を地面へと叩きのめす。
「――お見事ですね。ですが僕だって負けていませんよっ! 木ノ葉旋風!」
上からの蹴りを咄嗟に避けたキバだが、下からの蹴りには咄嗟に反応できず吹っ飛ばされてしまう。空中でなんとか体勢を立て直したキバは、チッ、と舌打ちをすると、兵糧丸を取り出して赤丸に食わせた。赤くなっていく赤丸の体毛に、ナルトが驚きの声をあげる。
「あ、赤くなった!?」
「だーから赤丸なんだよ!」
自らも兵糧丸を服用しながらキバは返答する。赤丸がキバそっくりに変化し、獣のように四つの足を地面につけるキバが二人並んだ。
「牙通牙ッ!!」
「くっ……!」
猛回転しだした赤丸がリーへと襲い掛かる。リーがそれを避ければキバが攻撃し、キバを避ければ赤丸が攻撃するという猛攻撃が展開され、それらを避けているうちに、リーの動きも鈍くなり始めていた。数発の攻撃があたり、激痛と共に何度か吹っ飛ばされる。足の錘を外せたら、表蓮華を使えたらと幾度なく思ったが、ガイの許可が下りていないのならばこれは使えない。
「木ノ葉旋風ッ!」
上の蹴りをキバが避けるのと同時に、赤丸が背後から襲来する。そしてリーがそちらに気を取られると、キバが前から攻撃してくる――それが今までのパターンだった。しかしそう何度も同じ攻撃パターンを見ているリーは、それへ対する対処法もちゃんと考え付いていた。
木ノ葉旋風。そう言えばキバは、上からの蹴りがくるものと思い
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